東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続伸となりました。215円高の27,003円と節目の27,000円を回復して寄り付いた日経平均は直後に225円高の27,014円を付けた後伸び悩むと9時30分過ぎに3円高の26,791円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し10時50分過ぎに255円高の27,043円まで上昇しました。しかし、27,000円を上回ったところでは上値が重く27,000円を割り込み188円高の26,977円で前場を終えました。205円高の26,993円でスタートした後場の日経平均は13時40分に214円高の27,003円まで上昇しましたが、その後やや上げ幅を縮めると結局173円高の26,961円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)が一時3.2%高となりました。世界で自動運転の商用化が進みつつあり省電力の重要性が高まるなか、電気自動車の自動運転で省電力に役立つセンサーを開発すると伝わったことが材料視されました。パーク24(4666)も5.3%高となりました。6月の月次速報値でタイムズパーキングの売上総利益が新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年6月比で14.1%増となったことを好感した買いが入りました。ドトール・日レスホールディングス(3087)も一時4.1%高となり年初来高値を更新しました。まん延防止等重点措置が解かれて店舗売上高が回復したことや、季節に合わせた商品の導入によって客単価も上昇したことに加え、管理コストを削減したことも寄与し第1四半期の営業損益が9億円を超す黒字に転換したことで買いが優勢となりました。
また、サウジアラビアが米政府と増産で合意するとの観測が後退し原油価格が上昇したことでINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が高く、INPEXが4.7%高となり、石油資源開発も5.5%高となりました。さらに日本国土開発(1887)が自己株式を除く発行済み株式総数の5.6%にあたる500万株と30億円を上限とする自社株買いを発表したことで12.2%高となり年初来高値を更新したほか、イオンファンタジー(4343)も目標株価の引き上げを受けて4.8%高となり年初来高値を更新しています。
一方でシリコンウエハー加工の三益半導体工業(8155)が5.0%安となり年初来安値を更新しました。2022年5月期の営業利益は前期比で24.2%増となりましたが、第4四半期3ヶ月の営業利益が前年同期比で19.5%減と減益に転じたことが嫌気されました。東証スタンダード市場では上期決算を発表した串カツ田中ホールディングス(3547)が6.9%安となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い1月から店舗の休業や時短営業をした影響で黒字を見込んでいた通期の営業損益が赤字になる見通しとなったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は173円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均は215ドル安となったものの、先週末に658ドル高となり2日トータルでは442ドル高となったことから買いが優勢となりました。先週末に上値を押さえられた75日移動平均線(26,851円)は超えてきましたが、節目の27,000円を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。そのため上値の重さがやや意識されそうで、こうしたなかで27,000円を超えて水準をさらに切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には6月の米住宅着工件数が発表されるほか、19日の米国ではネットフリックス(NFLX)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などの決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)