暗号資産のそれぞれチャートではボトム圏で横ばいの値動きが見られます。

暗号資産ヘッジファンド「スリー・アローズ・キャピタル(3AC)」は米連邦破産法15条の適応を申請しました。同社は暗号資産レンディングサービスから多額の資金を借り、支払いができなくなったとのことです。また、暗号資産レンディング大手「ブロックファイ(Block-Fi)」は財政問題のため暗号資産(仮想通貨)の交換業大手FTXトレーディングによる救済案が報道されるなど、暗号資産のレンディング関連事業が打撃を受けている状況です。破産者が増えれば増えるほど、将来的に清算のポテンシャルが増えますので、暗号資産業界にとってはマイナスです。

米国のナスダック上場企業、マイクロストラテジー社(MSTR)は現在13万枚程度のBTCを保有しており、BTC下落による大幅な評価損が報じられています。同社の財務状況を確認したところ、最新の現金ポジションは9600万ドルでした。売上は5億ドル規模でここ数年、毎年赤字を計上している企業ですので、先行きが不安です。米国のリセッションが明確になれば、かなり苦しい状況に追い込まれると思います。

中期的にこのようなファンダメンタルズの状況が重石になると考えられます。チャートは反発形状に近いものの、エントリーは控えたいところです。

本日もBTCとETHのチャート分析をお伝えします。

BTC(ビットコイン)、日足は並行チャネル内も4時間足は水平レンジ

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTCは並行チャネル中心で推移しています。SMA30はまもなく300万円に到達しそうです。今週はこのSMA30が上値抵抗線として意識される展開でしょうか。抜けたとしても並行チャネルの上限ラインが控えています。いずれにしても上値が重い展開が予想されます。

MACDは下落しきったのか、下落しなくなってきています。ダイバージェンスこそしていませんが、徐々に0.00方向に向かって調整色を強めてくると考えています。よって、7月前半は現状価格でのもみ合い推移が続くかもしれません。

4時間足で、もう少し詳しく見ていきましょう。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

6月の安値はおよそ237万円でした。この安値を意識した展開が続くでしょう。

現状は250万円手前で踏ん張りを見せており、1週間近く耐えています。よって、今週どこかのタイミングでここを割り込むと、価格がもう一段安になり240万円付近まで下押しすると考えられます。

到達後、瞬間的には買い戻しが入り、下ヒゲで大きく買い戻しが入りそうです。その後、再び250万円付近から売りに押されて、4時間足ベースでもう一段安のレンジに移行していくイメージを持っています。

短期的に237万円をバックに押し目買いトレードも選択肢として考えられます。損切りを置いて、237-298万円のレンジを意識した逆張りトレードはしばらくワークしやすいように感じます。

ETH(イーサリアム)、14-15万円での推移継続か

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足分析に移ります。

BTCと同じく下落トレンドが続いていると思われます。今後の値動きのイメージを図表3に記しました。

SMA30が近づいてきており、14-15万円での推移が長引くように感じます。その間に、MACDが0.00ラインまで回復し、日足ベースでも上昇・下落がニュートラルになりそうです。

買われすぎ、売られすぎ水準から、MACDが0.00ラインまで戻ってきますと、その時間軸ではポジションの傾きが解消されているケースが多く見られます。再びトレンドが発生しますと、再度その方向に大きく流れることが多いのです。それらを考慮しますと、今週は横ばいの推移となるでしょう。来週からのトレンド発生には注意したいところです。

冒頭で述べたレンディングサービスはETHが担保になっていることが多いので、買いは控えた方が良いでしょう。

BTCはレンジトレードをご紹介しましたが、ETHは今週も見送りたいと思います。今は資産を守るフェーズだと考えています。短期トレードに徹して、キャッシュ比率は高めておいた方が良いのではないでしょうか。