今週(6月3日~6月9日)の相場動向

相場回顧 BTC:レンジ内で乱高下する展開、イーサリアムのアップデートは無事に完了

ビットコインは方向感に乏しい展開となった。5月米雇用統計が堅調だったことを受けて金融引き締め加速への警戒感が強まり、米国株とともに売りが強まった。ソラナネットワークの障害も影響し、アルトコインを中心に弱い値動きとなった。6日に10週連続陰線を回避したことを確認すると買い安心感からBTC=416万円(31500ドル)付近まで急上昇したが、人気NFTであるBAYCのディスコードハックも報じられるなかで上値は重くなった。日本時間7日には、米国株先物が急落したことと、イーサリアムがPoS移行に向けたアップデートを前に下落したことが影響し、たちまちBTC=391万円(29500ドル)付近まで下落した。その後もペイパルやシタデルといった大手企業による暗号資産関連動向などを受けて買いが強まる場面はみられたが、米長期金利の上昇と原油高によってインフレ懸念が強まり、軟調な推移となった。週末にかけては、イーサリアムのアップデート完了が好感されてやや買い戻しが強まったが、5月米消費者物価指数の内容を見極ようと様子見ムードとなった。

 

来週(6月10日~6月16日)の相場予想

BTCは米FOMC開催に注目が集まるなか底堅い推移となるか

米国の堅調な経済指標を受けて再び長期金利と原油価格が上昇し、インフレへの懸念が強まっている。このようななか来週はFOMC開催を控えており、市場では0.5ポイントの連続利上げが予想されているが、パウエルFRB議長からこれまで以上にタカ派寄りの発言が出た際には株式とともに売りが強まることが考えられるだろう。欧州の5月消費者物価指数によってインフレ懸念が強まるかにも警戒である。

暗号資産市場では5月以降リスクオフの影響からビットコインのドミナンスが47%付近まで上昇している。日本でステーブルコインに関する改正資金決済法が成立したように引き続き各国での暗号資産規制強化の動きには注視すべきだが、アルトコインからビットコインに資金が集まるなかでビットコインは相応に底堅さを示すだろう。世界経済の見通しが悪化するなかで金融市場における現在の悲観的な見方の揺り戻しがあれば、そこからの回復も期待できる。

直近上値としてBTC=427万円(32000ドル)、下値としてBTC=374万円(28000ドル)を意識する。