上値の抵抗線突破時に新たな窓が発生し上昇が継続

前回のコラムでも上向きに変化した5日移動平均線上を維持できるかが上昇を継続するための注目ポイントと解説しましたが、5日移動平均線上を維持したことから株価の反発が続き、突破できるかどうか注目された上値の抵抗線も一気に突き抜けて株価の上昇が続く展開となりました。

また、上値の抵抗線を突破するときに新たな窓が発生しており、株価の上昇が続くポイントとなりました。

さらに、上値の抵抗線を突破して上昇が続いたことから、4月5日と6日の間にあけた窓を埋めており、3月29日に終値ベースの高値をつけた後に反落して5月12日に安値をつけるまでの間にあけた窓をすべて埋める結果となりました。

このようにコモンギャップが発生した後、全ての窓が埋まっており、埋めるまでの時間にばらつきはあるものの「埋めない窓はない」という相場格言通りの値動きになった格好です。

では、今回発生した窓はどの窓と考えればよいのでしょうか。私は前回発生した窓と同様、過去の値幅の範囲内で発生していることからコモンギャップ(=普通の窓)と考えています。

そのため、引き続き上向きの5日移動平均線上を維持できなくなって割り込むと同時に、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるようですと株価も下落に転じ、今回発生した窓と5月27日と30日の間にあけた窓の両方を埋めることが考えられますので、売り時を逃さないようにしたいところです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

ついに200日移動平均線上を終値で回復

そのような中、ついに日経平均株価はグランビルの法則の基となっている200日移動平均線を上回って6月7日の取引を終えているのが分かります。この200日移動平均線を終値で上回るのは、2022年の1月5日以来となっており、このまま維持できるかが今後の株価動向を探る重要なカギとなることが予想されます。

なぜなら、200日移動平均線を上回って維持するようですと、現在緩やかな下向きを続けている200日移動平均線の向きが上向きに変化することが考えられるからです。

そうなると、25日移動平均線や75日移動平均線が200日移動平均線に接近してくることが考えられ、25日移動平均線が200日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生することも視野に入りそうです。

一方で、200日移動平均線上を維持できずに割り込むようですと、5日移動平均線も同時に割り込むことが予想されますが、その場合はグランビルの法則の売りシグナルが発生することになり、一旦利益を確定することが必要になるのではないかと思われます。

日経平均株価は、今後の動向を考える上で重要な局面に差し掛かっていると思われますので、今後の動向から目を離さないようにしたいところです。