ゴールデンウィーク前の株式市場は様子見ムード

今週の東京株式市場はゴールデンウィーク前に様子見ムードが強く、週初から不安定です。最近、連続しているわけではないですが、3連休を前に月末安への警戒感も強まりやすいところです。

一方、米ドル/円の動きが気になります。株式市場がゴールデンウィークで休場の間でも為替市場は動きます。このところの急速な円安に対する反動が、いつ生じても不思議ではありません。

円安トレンドは今後も続くのか?

このコラムでも何度か解説してきましたが、米ドル/円の年足ローソク足は2020年まで5年連続(2016年~2020年)で陰線を形成しました。しかし、2021年には2015年高値(125.84円)を起点とした下降トレンドラインを上抜ける円安転換サインが点灯しています。また、2022年は円安に弾みがつく展開となっています。

すでに2015年高値を上回る展開となっており、基本的には2011年の安値75.55円を起点とした円安波動を再確認したばかりで、中期目線では大きな円安トレンド継続という見方となります。

一方、短期的には正念場を迎えています。2007年高値を起点に2015年高値を通る上値抵抗線まで円安が進みました。この抵抗線で頭打ちになるシナリオであれば、円高方向への揺り戻しもそれなりに値幅が出るとみられます。

値幅から想定する米ドル/円相場

実は値幅の観点で言えることは、2021年1月安値(102.57円)から直近高値(129.40円)までの値幅は26.83円と、過去の相場で生じたある値幅が学習効果になった可能性が高い、と考えることができます。

下記に示した(1)~(7)は、2007年以降の米ドル/円相場で比較的大きなトレンドが生じた際の値幅を昇順に示したものです。直近高値は、(4)と(5)の値幅が2021年1月安値からの習性値幅として当てはまった可能性が高いといえるかもしれません。

さらに、一段と円安が進む場合、(6)と(7)の値幅を2021年1月安値から足した131.02円~130.75円が上値の目安となります。

(1)25.05円(2014年5月安値→2015年6月高値までの円安幅)
(2)25.85円(2008年8月高値→2009年11月安値までの円高幅)
(3)25.90円(2009年4月高値→2011年10月安値までの円高幅)
(4)26.62円(2012年9月安値→2013年5月高値までの円安幅)
(5)26.77円(2015年6月高値→2016年6月安値までの円高幅)
(6)28.18円(2011年10月安値→2013年5月高値までの円安幅)
(7)28.45円(2007年6月高値→2008年3月安値までの円高幅)