金曜日に書いた協調介入に関するつぶやきの題材である「日米協調介入の議論を日米財務相会談で話した、アメリカ側は前向きなトーンだった」という内容のニュースは事実に反すると、財務省幹部が匿名で語ったとの新しいニュースがあり、これはオリジナルなニュースと同様に、要は財務省幹部がマーケットに影響を与える重要な秘密情報を守秘義務に反して話していると云うことには変わりないので、困ったものです。

しかしこの円安、本当に(こんな言葉は使いたくありませんが)ヤバいと思います。日本は人口も減少している国なので、どうしてもフローの経済には限界があり、しかし金融資産や高価値の不動産などのストックではまだまだ世界に対抗できるリッチな国だった訳ですが、この円安はその日本の価値を大きく毀損しています。円安が進めば、外国勢が日本の企業や不動産をバンバン買収や買い占めを始めるかも知れません。そんな魅力はないよ、という説もありますが、安保上も危険です。

しかし日銀は、或いは政府は、ろくな議論もしない中で、財政ファイナンス(或いはMMT)をまっしぐらに進めていて、かつインフレになってきてもそれを止める気配がないので、これは制御不能になる可能性があるかも知れません。しかし国内を見ると、そのような危機感は極めて乏しく、なんとなく平和に日々が過ぎています。呑気な国です、日本は。恐らくこのような円安・インフレが更に進行し、呑気で居られないレベルまで生活環境が実感として変わった時に初めて、日本は大きく変わり始めるのでしょう。

安吾が堕落論を書いた時から75年経っても、日本の基本的な思考パターンは変わっていないのでしょうか?