マネックス証券が2021年10月より掲げている新たなブランドビジョン「大切なものに投資をしよう」には、投資の価値を儲けや利益だけではなく、それぞれの未来や夢を実現させるものへと進化させていきたいという思いが込められています。そこで、このビジョンが生まれた背景をより多くの方に理解していただくために、投資を通じて「大切なもの」の実現に向けた未来づくりをサポートするマネックス・アナリスト陣にインタビューを実施しました。
アナリスト陣が考える、「大切なもの」とはどのようなものでしょうか?第2回目はマーケット・アナリスト兼インベストメント・アドバイザーの益嶋裕のインタビューをお届けします。
スーパーネガティブな人間が大学時代の出会いによって大きく変化
――益嶋さんが株式投資を始めたきっかけを教えてください。
益嶋:僕は、高校受験で第一志望に入学できず、さらに高校に入る前の春休みに父親を交通事故で亡くしたこともあって、「自分なんて何をやってもダメだ」と考えてしまうようなスーパーネガティブな人間でした。そんな僕に「もっと自信を持っていいんだよ」と言ってくれたのが、大学時代のバイト先の上司でした。僕の人生に大きな影響を与え、今でも尊敬する方です。その方が株好きで私に「株式投資を始めてみたら?」と背中を押してくれたんです。「いきなり利益を出すことは難しいかもしれないけれど、日々の世界のニュースや経済に興味を持てるようになるし、話題も豊富になるから、プラスが大きいよ」と教えてもらい、投資の世界に足を踏み入れました。
実際にやってみたら、めちゃくちゃ面白かったんですよね。自分で銘柄を選び、タイミングを読んで買い、上手くいくこともあればいかない場合もある。自分の選択に言い訳できないところが性に合っていたのだと思います。これから投資を始めようという方には、自分自身の経験を踏まえつつ、株式投資を通じて様々なことに興味や視野が広がるという観点からも、株式投資の良い側面を伝えるようにしています。
――投資教育にも取り組んでいる益嶋さんですが、その原動力は何ですか。
益嶋:私の母親はバブル崩壊も知っていましたし、投資=ギャンブル、怖いものという認識でまるで投資が「悪いこと」だと思っていました。証券会社に入社することにもとても反対されました(笑)。今でも日本には同様の考えを持つ方が多くいるのではないかと思います。でも、投資についてしっかり勉強して、“時間を味方にする”というセオリーを実践すれば、お金を増やせる可能性が非常に高い。そういうことを伝えていくことで、投資に成功する方が増えれば、日本全体にとっても良いことですし、そのために少しでもお役に立てたらと思っています。
専門性が高い分野だからこそ、「わかりやすく伝える」をモットーに
――マーケット・アナリストとして仕事をする最大の醍醐味は、何でしょうか。
益嶋:ネット証券の従業員は、通常はお客様と直接接する機会がほとんどありません。その中でも、僕はセミナーなどでお客様の生の声を聞くことができる立場にあります。お客様の喜びや声が大きなモチベーションであり、それを生で感じられるのは幸せなことです。思えば、お客様がいかに大事か、最初に教えてくれたのも、バイト時代に株式投資を勧めてくれた上司でしたね。
――仕事のなかで心掛けていることはありますか。
益嶋:どんなこともわかりやすくお伝えするということを心がけています。以前、コンタクトセンターで業務を行っていた際はご年配のお客様から電話をいただくとも頻繁にあり、トレーディングツールの使い方について質問されたことがありました。ご年配の方には単に「ブラウザを閉じてください」と言っても伝わりにくく、お伝えの仕方を工夫する必要がありました。そのような経験を踏まえ、どうすれば、最もわかりやすく、ストレートにお客様が求めていることをお伝えできるのか、今も意識しながら仕事に活かしています。
家族の幸せが自分の幸せ。仕事と共に大切にしたい
――益嶋さんが仕事以外で大切にしていることは、何ですか。
益嶋:家族の存在ですね。小学校3年生の息子が始めた少年野球のコーチとして最初は渋々参加していましたが、今では子どもたちの成長を見るのがたまらなく嬉しいです。
また、授業参観に行くと、自分の子どもだけでなく、他の教室まで回るくらい子どもたちみんなが可愛いんです。上の娘は小学校5年生で、ほっぺにチューすると恥ずかしくて逃げるようになったんですけど(笑)。そのコミュニケーションさえも楽しくて、子どもたちの成長を見ていると、立派に育てたいなと思いますね。家族は、一緒に過ごす時間が長ければ長いほど自分にとって大事な存在だと実感しますし、家族の幸せがどんどん自分の幸せに繋がっているように思います。
――仕事とプライベートはどのように切り替えていますか。
益嶋:海の近くに住みたいと思って、茅ヶ崎から片道1時間半かけて通勤する日々を続けています。週末も、午前は息子と野球をして、午後仕事のことを考えることもあります。僕には、オンオフの感覚がないんです。どちらも楽しいですから。
――益嶋さんにとって、「投資」とはどのようなことでしょうか。
益嶋:家族の幸せを思えば、お金はあるに越したことはないでしょう。しかし、投資はお金を増やすこと自体が目標ではなく、あくまで人生で大切なものを実現するための“手段”であると考えています。
行き当たりばったりで、とりあえず株を買ってみよう、ランキング上位の銘柄を買ってみよう、と思って投資を始める方もいらっしゃいます。世の中には「投資でかんたんに1億円」というようなタイトルの本もありますが、そんなに簡単に成果が出るのであれば、みんな億万長者になっているはずですよね。そうなっていないのは、お金を増やして何を達成したいのか、何を勉強すればいいのか、どのように投資すればいいのか、など目標の軸や投資のスタイルが定まっていないからかもしれません。
留学したい、子どもに充実した暮らしをさせたい、など人それぞれ達成したい目標をお持ちだと思います。投資を考えることは、自分にとって大事なものについてじっくり考える、ということでもあるのではないでしょうか。