日経平均は上値追い。引き続き地政学リスクや米金融政策の動向に注意

先週の日経平均は5日連騰となり、下向きで推移する25日移動平均線(26,282円、3月18日時点)上を回復しました。3月10日高値(25,720円)を上抜けたことで、上値に勢いが生じた可能性が高いとみられます。

今週も前半は地合い好転の兆しを背景に、大型株主導によるしっかりの相場展開が予想されます。一方、ハイテク株を中心とした値がさグロース株への短期的な買い戻しやリバランスの買いは一巡する公算が大きいでしょう。日経平均は27,000円台回復が視野に入りますが、特に27,500円から上値は戻り売り圧力が増大する水準です。

週後半には、米長期金利の上昇や、ロシア・ウクライナ情勢、原油相場の不安定さが、ボディブローのように下落圧力へと効いてくる可能性が大きいとみられます。米ドル/円は1ドル=120円を前に円安一服が予想されます。

期末決算に向けたレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)や、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が通過したことで円高方向に一変する可能性もあり、急激な変化は株式市場の逆風になることも考えられます。

一方、来週は特殊要因として、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を筆頭に年金などの大口投資家による先物を通じた「配当再投資の買い」が入ります。そのため、特殊要因による短期的な需給好転を見越した買い戻しや下値買いが入りやすく、26,000円付近までの調整に限られそうです。

株価上昇に備え、自動車株に注目

そのような中、株価上昇にも備え、物色対象はある程度絞っておく必要があるでしょう。前回のコラムでも少し触れましたが、自動車株に注目です。

3月18日現在、東証33業種の3月の上昇率上位は、海運、鉱業、卸売と続いています。逆に、下落率上位は、自動車を含む輸送用機器、精密機器、ゴム製品と続きます。

3月に入ってから1ドル=119円台へ4円以上も円安が進んでいるにもかかわらず、円安メリット業種がなぜ下げる、というミスマッチの感覚になってしまいますが、4月の巻き返しに期待したいところです。