日経平均は一進一退。目先の「二番底」を形成できるか

日経平均は先週の3月10日、前日比で972円高と相場低迷下の中で目が覚めるような急反発となりました。ローソク足では大きな陽線(始値よりも終値の方が高い)を形成し、2020年 6月16日以来の上げ幅となりました。

しかし、翌3月11日、今度は陰線(始値よりも終値の方が安い)で527円安となり、2日間合わせてみると、「上値に往って来い」の残念な値動きとなりました。

3月11日の陰線をみると「日本株の反発はまだ早い」、といわんばかりの動きにもみえるわけですが、特に珍しい動きではありません。想定できたパターンの1つです。

過去の価格帯別累積売買代金をみると、24,000円~26,000円の価格帯は過去の売買が極端に少なく、現在は乱高下しやすい水準であるということ。もう1つは、1月27日安値を起点にして2月24日安値を通る上値抵抗線で跳ね返される、私のテクニカル感では定石通りの動きだったといえます。

問題はこの先です。3月9日につけた終値ベースの直近安値(24,717円)を下回ることなく、3月10日の終値ベースの直近高値(25,690円)を上回り、目先の「二番底」を形成できるかどうかです。直近安値を多少下回ったとしても、直近高値を上回ることが相場低迷から脱するきっかけになる可能性を高めるため、重要なのです。

株価が下げた後の買い、円安後の業績の上振れ期待を想定

さて、前回のコラムでは「3月も注目の相場タイミング」と解説しました。図表は、3月のメジャーSQ前後20日間の日経平均の動きをみたものです。

【図表】下落基調で迎えた3月メジャーSQ前後の動き(日経平均株価、2001~2022)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

2001年以降で、2022年と同じように下落相場でメジャーSQを迎えた、過去6回(2001年、2007年、2008年、2009年、2011年、2020年)の平均をみると、SQ直後に安値をつけて上昇基調に変わる推移となります。今週後半には日米の金融イベントの結果がわかります。2022年も過去と同じように上昇基調に変われるでしょうか。

3月期末を前に配当・優待権利を狙った買いが意識されやすい他、月末近くになると年金など大口投資家による配当再投資の買いが入ることが知られています。

そういった点では需給環境は決して悪くないわけで、現在の外部環境に好転の兆しが出てきた際には、相場のビッグリバウンドの到来などもあり得るかもしれません。3月10日の大幅高は相場が好転した際の勢いを暗示していた、ようにもみえます。

ちょうど、3月も半月が経ちました。物色面では3月11日時点で大きく下げている自動車株が魅力的でしょう。株価が下げたことで減少した分のリバランスの買い、短期的なリバーサルの買いが入ることが予想されます。ここまで円安が進むと、業績の上振れ期待も強い味方です。