【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,480.76 △417.66 (3/17)
NASDAQ: 13,614.78 △178.23 (3/17)
1.概況
米国市場はロシアの外貨建て国債の利払いが実施されたと伝わりロシアの債務不履行(デフォルト)への懸念が後退したことで大幅続伸となりました。67ドル安でスタートしたダウ平均は直後に167ドル安まで下落しましたが、下げ渋ると午後に入って買いが優勢となり上げ幅を大きく広げました。結局ダウ平均は417ドル高の34,480ドルと高値圏で取引を終え4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も178ポイント高の13,614ポイントと3日続伸となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万5000件減の21万4000件となり市場予想を上回る改善となりました。3月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数も27.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。2月の米住宅着工件数も年率換算で前月比6.8%増の176万9000戸となり市場予想を上回っています。また、2月の米鉱工業生産指数は前月比0.5%上昇し市場予想と一致しました。設備稼働率は77.6%と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、素材と一般消費財・サービスも2%近く上げました。また、ヘルスケアと不動産、資本財・サービス、金融も1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はマクドナルド(MCD)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもダウ(DOW)が5%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げました。キャタピラー(CAT)とセールスフォース・ドットコム(CRM)も2%を上回る上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調で、同居する家族以外でアカウントのパスワードを共有する際に追加料金を課す制度を導入すると発表した動画配信のネットフリックス(NFLX)が4%近く上げ、電気自動車のテスラ(TSLA)も3%を超える上昇となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も2%以上上げています。また、高級衣料のラルフローレン(RL)が投資判断の引き上げを受けて4%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.17%となりました。ドル円は118円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日に大幅高となり利益確定の売りが出やすいことから一日を通して日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。また、金融政策に変更はないとみられますが本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)