今週(3月4日~3月10日)の相場動向

相場回顧 BTC:ロシアによるウクライナ侵攻は止まず、売り優勢の展開が継続

ビットコインは、ロシアによるウクライナ侵攻が日に日に激しさを増すなか、株式市場とともに売り優勢の展開が続いた。4日にはロシアの攻撃によってウクライナにある欧州最大規模の原子力発電所で火災が発生したと報じられ、リスク回避の売りが強まった。5日にはビザやマスターカードといった大手決済企業がロシア業務の停止を発表し、国際金融におけるロシアの孤立が強まるなか軟調な推移が続いた。7日に行われた3回目の停戦交渉も合意には至らず、BTC=439万円(38000ドル)付近まで下落した。その後、8日には米国がロシア産原油などの禁輸を発表したが、直近で暗号資産に関する米大統領令の発表を控えていたこともあり、底堅く推移した。その内容について、制裁回避への対応を含む新たな規制の導入が懸念されていたが、イエレン米財務長官の声明によって規制を強調するものにはならないとの思惑から一時BTC=485万円(42000ドル)付近まで急回復した。9日に米大統領令が発令され、米国主導でデジタル資産分野を適切に発展させていくとの前向きな姿勢が示されたが、セルザファクトが意識されて再び売りが強まった。

 

来週(3月11日~3月17日)の相場予想

リスクオフが継続、BTCはウクライナ情勢と米FOMC次第でさらなる売りも

ロシアによるウクライナ侵攻が止まず、暗号資産は株式とともにリスク資産としての売りが強まっている。来週もウクライナ情勢を巡ってリスクオフの状況が続くだろう。このままロシアとNATO諸国との対立関係が悪化した場合にはさらに下落することも考えられる。

一方で、ウクライナ情勢を受けてロシアの通貨ルーブルが暴落するなか、一部では逃避資産として暗号資産を買う動きもある。暗号資産ファンドでは流入超過が続いているとのレポートもあり、下落時には相応に買い支えられるだろう。ただし、金価格の高騰を受けてビットコインが再びデジタルゴールドとして逃避的に買われるとの期待は薄いか。

また、来週は米FOMCを控え、3月の利上げは確実視されているものの、利上げ幅に注目が集まる。FRB議長は議会証言で0.25ポイントの利上げを強く支持しているが、原油価格の高騰などでインフレも意識されるなか、予想以上の利上げやタカ派を印象付ける発言が見られた場合は金融市場全体で売りが強まることも考えられるだろう。

直近上値としてはBTC=497万円(43000ドル)、下値としてはBTC=404万円(35000ドル)を意識する。