【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

新たに発生した窓の種類とグランビルの法則

前回は祝日でこのコラムはお休みでしたが、その間にウクライナ情勢が悪化し、2月24日には株価が一時26,000円を割り込む場面がありました。

ただ、26,000円を割り込んだ水準から売り込む動きは見られず、急反発する展開になると、3月1日には窓をあけて下向きの25日移動平均線に接近して終えているのが分かります。

このように急反発していることに加え、新たな窓が発生しているため、一般的には強い反発が発生していると考えたくなるところですが、窓の種類が何なのか、またこれまで勉強したグランビルの法則を理解していれば、どのような状態なのかお分かりだと思います。

まず、新たに発生した窓についてですが、この窓は過去の値幅の範囲内で発生した窓であることから、コモンギャップ(=普通の窓)であると考えられます。

また、下向きの25日移動平均線に接近したところで、上ヒゲを形成して終えていますので、それだけ売り圧力が強かったと判断できることに加え、ここでもグランビルの法則が当てはまるのではないかと予測できるわけです。

したがって、このような形(=下向きの25日移動平均線に押し返される)になった場合、売買タイミングでは、どちらかと言うと買ってはいけない場面ということになり、翌営業日に反落した場合は特に売りを優先させることが必要になる局面と言えるわけです。

もし高値掴みを繰り返してしまうという人は、今回のように下向きの25日移動平均線に押し返されるパターンを頭に入れておき、売買タイミングに注意したいところです。

窓を埋めて下落を繰り返すのかは5日移動平均線がカギを握る

仮に今回も25日移動平均線に押し返されると考えた場合、予想されるのは窓埋めですが、そこで注目されるのが5日移動平均線と株価の位置です。

3月1日の5日移動平均線はほぼ横ばいに変化しており、窓を埋める水準まで反落したとしても翌営業日の5日移動平均線は上向きに変化することが考えらえます。

そのため、窓を埋めることがあっても5日移動平均線上を維持できれば、5日移動平均線が上向きに変化し、サポートになって25日移動平均線を突破することも考えられ、底入れへの期待が高まるのではないかと思われます。

一方で、5日移動平均線上を維持できずに終値で割り込んで戻せなかった場合、再び下落基調が続くことになり、今度は2月24日の安値を割り込んで、2020年11月20日と24日の間にあけた窓を埋めることが視野に入るのではないかと思われます。

この時にあけた窓を埋める場合、日経平均は25,555円を下回る水準まで下落することになります。さらに、この水準の下にも2つ窓が空いていますので、25日移動平均線に押し返される状態が続くようですと、残り2つの窓を埋める水準に接近する可能性も否定できません。

このような考え方が株価の先行きを予測するトレンド分析ですので、是非、自分で残り2つの窓の水準などをチェックし、株価の先行きを予測する判断に役立ててほしいと思います。