将来の相場予測は後講釈がヒントに
週明けの日経平均は一時27,000円割れの展開となり、先週の戻りを否定するような下げ方をしました。要因はウクライナ情勢の緊迫化やインフレ警戒で連休中の米国市場が崩れたことだと思いますが、下げ幅はともかくとしても、テクニカル的には定石通りの値動きです。
下げ幅が大きいのが少し心配なのですが、先週末につけた高値からはそろそろ下向きに動くタイミングでした。先週の2月10日高値27,880円は2021年12月20日安値27,893円や、2022年1月14日安値27,889円付近に透明の壁が存在していて、そこで一旦頭を抑えられたと推測できます。
1月5日高値29,388円の翌日から下がり出したのも、11月18日安値29,402円まで戻したことで下げに転じました。12月16日高値29,070円の翌日から下げたのは、11月11日安値29,040円まで戻したからです。
このように過去の結果が分かっている事例をとって、それぞれの場面に適合した判断を下すことを後講釈といいます。ただ、過去の足跡をみることで、将来のヒントは生まれます。
先週末、まだ相場に戻る雰囲気はありましたが、ここまで戻れば反落するだろう、という意識があれば、連休中に何か悪材料が発生する、と考えることもできそうです。
チャートをみればわかる過去の高値や安値のフシを確認することで、相場観やシナリオ想定のヒントにすることができそうです。
日経平均は下値模索のリスクに注意
一方、日経平均は2021年5月以降で観測できる27,500円前後に存在する下値のフシがありましたが、1月後半に下回りました。2月10日までの戻りが下値のフシを下回った後の瞬間的な揺り戻しであるならば、目先の上値のフシに跳ね返される日経平均が今後、下値を模索するリスクに注意しなければいけません。