今年最後のコラムは来年、2022年の相場予測で締めたいと思います。

2022年の相場を予測する上で重要だと考えているのは、今後、もち合いを上下どちらに放れるかです。なぜそう考えるのか、また、上下どちらかに放れた場合どのような値動きが予測されるのか、実際のチャートを見ながら解説していきたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足:2021/1/4~12/28)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

2021年の株価推移から考える2022年、年初の値動き

まずは、もち合いを上下どちらに放れるかについてですが、日経平均株価は8月20日に年初来安値をつけた後に急反発して9月14日に年初来高値をつけるなど、短期間で大きく上昇する場面がありました。しかし、9月14日に高値をつけた後は急落し、10月6日に27,293円をつける水準まで下落しているのが分かります。

この8月20日と9月14日の間につけた安値と高値がその後どちらも突破されることなく、安値が切り上がり、高値が切り下がっているのが、8月20日から12月28日までの株価推移になります。

また、8月20日の終値と12月20日の終値を結んだ延長がトレンドラインになりますが、右肩上がりとなっていることからサポートラインと考えられる反面、9月14日の終値と11月22日の終値を結んだトレンドラインは下向きとなっており、こちらはレジスタンスラインと考えることができます。

このようにトレンドラインを引くことで、株価の方向を知ることができると同時に、三角形の形をしていることから三角もち合いと判断することができます。

また三角もち合いの特徴として、株価が上下どちらかのトレンドラインを終値で突破すると、突破した方向にトレンドが発生しやすいとされており、このまま株価が横ばいで推移しても、2022年の初めには上下どちらかのトレンドラインを突破することが視野に入ると考えられます。

こうした状況から、三角もち合いを上下どちらに放れるかが重要だと考えているのです。

日経平均が上昇、または下落した場合のポイント

ではトレンドラインを上方向に突破した場合はどのような値動きが想定されるのでしょうか。その場合、再び3万円に乗せた後に9月14日の高値に接近したり、上回ったりして、上昇トレンドが継続することになるのではないかと考えられます。

一方で、トレンドラインを下方向に放れた場合はどうでしょうか。その場合、8月20日の安値に接近したり、割り込んだりすることが視野に入るのではないかと思われます。

では、どこまで株価の上昇、下落が考えられるのでしょうか。上昇した場合のポイントは、9月14日の高値を終値で上回ることができるかどうかです。

仮に上回るようですと、2021年の大きなレンジの値幅となっている2,000円程度を9月14日の高値に加えてみると、33,000円辺りまで上昇することが期待されますが、9月14日の高値を維持できずに押し返されるようですと、レンジ内での値動きが続くことが考えられますので、売買タイミングには注意が必要と思われます。

続いて、下落した場合のポイントは、8月20日の安値を終値で割り込むかどうかです。仮に割り込んで戻せない場合は、8月20日の安値から同様にレンジ幅となっている2,000円を差し引いて25,000円辺りまで下落することが考えられる反面、終値で割り込まずに戻すようですと、この場合もレンジ内での値動きが継続することになるため、同様に売買タイミングに注意が必要です。

このように、2022年は、2021年から続く三角もち合いを上下どちらに放れて株価が動き始めるのか、年初からの値動きがカギを握っていると考えられます。そのため、年末年始の株価動向には特に注意するようにし、パフォーマンスの向上に繋げたいところです。