オミクロン株で揺れる世界の株式市場
「11月末を含む週の日経平均は上昇する傾向が強い」
今年、2021年は本当に大丈夫でしょうか?週初から470円近くも下落し、もし週間で上昇するなら後半の強い巻き返しが必要となります。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が世界の株式市場の脅威となりそうな雰囲気です。
各国政府が渡航制限に踏み切る対応の早さは昨年、2020年の経験からなのでしょう。第1波の「経験」が生かされる今回、金融市場の反応は同じようにはならない、と考えたいところです。
騰落レシオで掴む相場の動き
さて、前回のコラムでは今年2021年の日経平均がいかに動いていないかということを、年の安値から高値までの値幅を比率で示し、今年は14.3%とバブル期以降で最低記録になることをご紹介いたしました。
もう1点、今年2021年は興味深いデータがあります。それは、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って求める、騰落レシオです。通常、東証1部銘柄を対象に25日平均でみることが多く、100%は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がきっ抗、120%以上で買われ過ぎ、70%以下で売られ過ぎと判断します。
実は、今年、この東証1部の騰落レシオ(25日平均)が、100%未満となる(値下がり銘柄数の方が多い)日数が年間の全営業日の53%と半分以上を占めます(11月26日現在)。
日経平均は上昇しているのに、持ち株が上がらない、むしろ下がっていると感じた日が多かったのではないでしょうか。これは今年だけではなく、昨年2020年も100%未満だった日の方が多かったのです。
しかし、2020年は新型コロナショックで3月にかけて急落があったため、売られ過ぎの判断となる70%以下になった日も特に多い年でした。このような年は相場の下落時に買い場のチャンスと判断する場面が多くなるわけですが、今年は70%以下が1日もなく、買い場の判断に躊躇する場面が多かったのではないでしょうか。
来年2022年こそは値上がり優位の相場展開に期待したいところですが、そのようなことを考える前に、日経平均が8月の年初来安値を前に踏みとどまれるかどうか、目先的にはそちらの方が重要です。