株高になる傾向が強い11月

11月末を含む週は株高の傾向が強い。バブル崩壊後に日経平均が初めて8,000円を割り込んだ2003~2020年の18年間で見ると、11月末を含む週で下げたのは2015年のみ。上昇した17年間の平均上昇率は3.1%と好成績となります。マザーズ指数も下げた年は2004年と2016年だけで、上昇した16年間の平均上昇率は4.6%になります。

2003~2020年までの間、日経平均が週次ベースで上昇したのは520週あります(下落した週は418週)。その平均上昇率が2.1%であることから、11月末を含む週は上昇しやすいだけでなく、パフォーマンスが相対的に良好なことがわかります。

上昇した520週のうち、上昇率上位20の中に11月末を含む週が3つ(3位の10.4%、8位の7.6%、15位の5.9%)も入っています。

一方、2019年までの17年間で上昇率上位20を見ると、11月末を含む週が4つ入っていました。しかし、新型コロナショックで大荒れとなった2020年のデータが上位20位内にたくさん割り込んだため、1つが落選する形となりました。とにかく2020年はよく動きました。

注意深く見守りたい株価の上昇率

ちなみに、2021年は先週までのデータを集計すると、上昇率上位20位に入る週は1つもありません。2020年に動き過ぎた反動というか、休息期間というか、が今のところ続いているということになります。

年次ベースに広げると、2021年の高値と安値の値幅は3,840円程度(11月12日時点)です。これは、アベノミクス相場が本格的に始まる直前の2012年以来、9年ぶりの小ささです。

もっとも、日経平均の水準が当時と違うため、単純比較はできません。そこで、年の安値に対して高値までどれだけ動いたかを比率で示すと、2021年は14.3%程度となります。これはバブル期以降で最低記録となります。

すべての売買に当てはまるわけではないのですが、これは2021年が比較的、儲けにくい相場だったということを示唆しているのではないでしょうか。