2日はRBA、4日はBOEの金融政策会合

今週最大の注目材料は3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)だろうが、その前後に行われる2日のRBA(豪準備銀行)と4日のBOE(イングランド銀行)の会合も、ともに金融政策の変更の可能性があることから、普段以上に注目を集めることになりそうだ。

まずは2日のRBA。RBAは現在、YCC(イールド・カーブ・コントロール)と呼ばれる債券利回りに上限を設定する金融政策を行っているが、先週後半、その上限の見直し思惑が浮上し、豪州金利は短中期を中心に急騰となった(図表1参照)。

【図表1】豪ドル/米ドルと豪米金利差(2021年6月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

この背景には、物価上昇の加速がある。10月27日に発表された第3四半期のCPI(消費者物価)は前年同期比で3%といった大幅な上昇となった。2日の金融政策会合では、YCCの上限見直し、さらには上限撤廃の可能性も注目されている。

加えて、RBAがこれまで「利上げは2024年以降」としてきた方針の見直し、利上げ見通しの前倒しも注目されてきた。豪ドル相場は、先週後半の豪州金利急騰への反応は限定的にとどまったが、RBAのスタンスを見極めた上で動意付く可能性はあり、要注意だろう。

一方で、実際の利上げ決定の可能性も注目されているのが4日のBOE会合。最近、BOE幹部によるインフレへの懸念表明が目立ってきたことから、今回ないし次回、12月の金融政策会合において、現行0.1%の政策金利を0.25%まで引き上げるといった予想が増えているようだ。

すでに英国の金利、例えば英2年債利回りなどは9月以降上昇ペースが加速しており、それに比べると英ポンド相場の上昇は緩やかなことから、両者のかい離が急拡大してきた(図表2参照)。ただし、そうは言っても英ポンド/円は年初来高値圏での推移となっていることから、4日のBOEの決定次第でさらなる高値トライの可能性は十分ありそうだ。

【図表2】英ポンド/円と日英金利差 (2021年1月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成