東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。102円安の29,152円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで200円安の29,055円まで下落した後持ち直すと10時30分過ぎに34円安の29,220円まで下げ幅を縮め93円安の29,161円で前場を終えました。
132円安の29,123円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎから一段安になり大きく下げ幅を広げ14時40分過ぎに566円安の28,688円まで下落すると結局546円安の28,708円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
日本ペイントホールディングス(4612)が一時4.1%高となりました。中国に次ぐ市場規模を持ちながら手薄だった欧州での事業基盤を拡充するために建築用塗料大手の仏クロモロジーホールディングを約1500億円で買収すると発表したことが材料視されました。しかし、上げ幅を大きく縮め引けは0.6%高に止まっています。
システムコンサルティングのサインポスト(3996)も21.9%上昇しストップ高となりました。日本郵政グループとファミリーマートが全国の郵便局内に無人決済のコンビニエンスストアを設置すると伝わるなかサインポストが出資する無人決済システムの開発会社とファミリーマートが提携関係にあることから思惑買いが入りました。また、暗号資産の交換業者に出資しているセレス(3696)もビットコイン価格が約半年ぶりに最高値を更新したことから一時6.8%高となっています。
一方でレーザーテック(6920)が7.2%安となりました。昨日の米国市場でオランダの半導体露光装置大手であるASMLホールディング(ASML)が決算で売上高の見通しが市場予想を下回り大幅安となったことを受けてレーザーテックにも連想売りが出ました。食べログを運営するカカクコム(2371)も3.3%安となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う緊急事態宣言の発令で経済活動の制限が長期化し食べログ事業の売り上げが想定以上に減少することから通期の営業利益の見通しを236億円から215億円に下方修正したことが嫌気されました。
また、投資判断や目標株価の引き下げに反応したのがマツキヨココカラ&カンパニー(3088)やオムロン(6645)で、マツキヨココカラ&カンパニーが投資判断の引き下げを受けて3.3%安となり、オムロンも投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は546円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しく売りが優勢となるなかで後場に入って下げ幅を広げ節目の29,000円を割り込むと売りが加速し一段安となりました。29,000円を大きく下回り200日移動平均線(28,793円)も割り込んだことで下値への警戒感が強く意識されそうですが、想定外の大きな下げとなっただけに明日以降の自律反発に期待したいところです。
なお、3月決算期企業の上期決算発表がいよいよスタートしますが、本日は引け後にディスコ(6146)が決算を発表する予定です。また、21時30分には米新規失業保険申請件数や10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には9月の米景気先行指標総合指数や9月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。さらに21日の米国ではインテル(INTC)やAT&T(T)、ダウ(DOW)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)