今週(10月8日~10月14日)の相場動向

相場回顧 BTC:乱高下するも、オルタナティブ資産としての強い買いが継続

ビットコインは先週より買いが継続しBTC=647万円(57000ドル)を突破した。米国ではビットコイン関連株のETF承認を受けてビットコイン先物ETF承認への期待がますます高まった。ビットコインに資金が集まるなかでドミナンスは46.5%付近まで大きく上昇した。その後、アルトコイン物色が一時的に強まり、ドミナンスの急落とともにビットコインの価格もBTC=613万円(54000ドル)付近まで急落した。しかし、原油価格高騰やサプライチェーン問題などの影響でインフレと景気後退が改めて意識されるなか、米国株が続落する一方で、ビットコインはオルタナティブ資産としての買いも強く、急落直後にはBTC=647万円(57000ドル)付近まで大きく反発した。英ケンブリッジ大学が発表した分析結果で米国が中国を抜いて最大のマイニング市場となったことも市場に安心感を与えた。さらに米コインベース【COIN】のNFT参入などの話題もあり、買いの勢いは衰えることなくBTC=658万円(58000ドル)付近まで上昇した。

 

来週(10月15日~10月21日)の相場予想

BTCは堅調ながら、米ビットコイン先物ETFを巡る様々な思惑に警戒

これまで金融市場では各国の金融緩和策の転換時期について様々な議論されてきた。米国では、経済指標の改善が確認されるなかで、年内のテーパリング開始が大方の見方となっている。その一方、最近になって原油価格高騰やサプライチェーン問題などが改めて意識され、インフレと景気後退が同時起こるスタグフレーションを警戒する声も出てきている。

このように世界経済の先行きが不透明になるなか、株式市場では売りが強まる一方で、国や企業の動向に依らないビットコインは独立して強い買いが継続している。米国ではビットコイン先物ETFへの期待も強まるなかで審査の結果がはっきりするまではこのまま堅調に推移することが考えられる。

しかし、米国のビットコイン先物ETFを巡っては今月内の承認を期待する声がある一方で、承認後のセルザファクトを警戒する声もある。現状は期待先行で価格を大きく伸ばしているが、様々な思惑が飛び交うなかで短期的な急落が起こる可能性はあるだろう。

実際に来週にはプロシェアーズやインベスコが申請したビットコイン先物ETFの判断が予定されており、これらの結果には要注目である。直近上値としてBTC=681万円(60000ドル)、下値としてBTC=613万円(54000ドル)を意識する。