今週(10月1日~10月7日)の相場動向

相場回顧 BTC:規制リスクが後退し、株式市場が不安定化するなかBTC=55000ドルまで高騰

ビットコインは、パウエルFRB議長が「暗号資産を禁止する予定はない」との姿勢を示したことで規制リスクが後退し、買いが強まった。米SECが複数のビットコインETFの審査を延期したとの報道もあり、BTC=535万円(48000ドル)付近ではもみ合いとなった。しかし、中国不動産の債務問題や米国政権の債務上限問題への懸念、および原油価格高騰に伴うインフレ懸念から株式市場が不安定な値動きとなるなか、次第に価格を伸ばしBTC=558万円(50000ドル)を突破した。さらにパウエルFRB議長に続いてゲンスラーSEC委員長も暗号資産を禁止する可能性を否定すると騰勢を強めた。著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドが暗号資産を保有していることも明らかとなりBTC=613万円(55000ドル)付近まで高騰した。このようにビットコインが強い動きとなるなか、アルトコインからビットコインへ資金が集中し、ドミナンスは大きく上昇した。

 

来週(10月8日~10月14日)の相場予想

株式市場の先行きが不透明になる中、BTCは買いが継続することも

中国人民銀行による暗号資産の禁止措置を受けて規制リスクが高まっていたが、米国でFRB議長とSEC委員長の両トップが暗号資産を禁止する計画はないとの発言をしたことで、同リスクへの懸念は和らいでいる。また、米国ではビットコイン先物ETFへの期待や、大手企業・金融機関らによる暗号資産関連動向も続いている。

このようななか金融市場では中国不動産や米国政権の債務問題を巡って企業や国に対する不安が広がっている。これらを受けて株式市場が暴落する事態となった場合には暗号資産市場も同様に下落する恐れはある。しかし、現状は株式市場の先行きが不透明になるなかでビットコインがオルタナティブ資産として独自に強い動きを見せており、この流れが短期的に継続することも考えられる。

急ピッチの上昇に高値警戒感も意識されるが、今回の価格高騰時にはブロックチェーンデータ分析企業によって大口の現物購入も確認されており、現物主導の上昇であることも市場に一定の安心感を与えている。直近上値としてBTC=647万円(58000ドル)、下値としてBTC=558万円(50000ドル)を意識する。