今は老後資金を自分で準備しなくてはいけない時代。そのようなこともあり、ここ数年で国は非課税で投資できる制度を作り、国もお金の専門家も、口をそろえて「投資をしよう」と声をかけてきました。

投資には様々な手法がありますが、初心者や投資をするのが少し不安という方には、投資信託を毎月少額ずつ積み立てる投資をお勧めしています。特にリスクが少なく手数料も安い「インデックスファンド」への積立投資は、長い目で見て資産形成に有効な投資法です。この投資について、拙書『はじめての人のための3000円投資生活』で紹介していますが、今回はそのポイントをかいつまんでお伝えします。

3,000円から投資を始めるのが良い理由

なぜ3,000円?と思われる方も多いかもしれません。この3,000円というのは、初心者が投資を始めやすい金額です。もちろん個人差はありますので、5,000円や1万円でも構いません。ただ3,000円くらいだと、多くの場合、はじめて投資をする方が怖さをあまり感じず投資に回せる金額でしょうし、貯金しながら投資をスタートさせるのにちょうど良いと思える金額でもあるのです。

3,000円の投資を10年、20年、30年と続けていくと、ある程度の運用益が見込めます。ご存知の通り、相場は常に動いていますから、必ずしも計算通りにいくものではないのですが、例えば、運用期間中に年利回り3%で運用できたとすると、10年で5.9万円、20年で26.5万円、30年で66.8万円の利益が見込めるのです。また投資対象や組み方によっては、4〜6%の年利回りも現実的な範囲でしょう。

慣れてくることで、段々と投資がわかってきた、収入が増えた、家計の見直しをして支出を減らせた、などお金にゆとりができ、投資に回す金額を増やせたら、さらに運用効果が高まります。

そして、投資を始めると、家計にも目が向くようになります。ムダな支出を減らし、少しでも投資に回したいという意識が芽生えるため、家計にメリハリがつき、お金も貯めやすい環境を作ることが可能になる、という方も実は非常に多いのです。

リスクが少ない少額投資では、コストをしっかり意識する

初心者の方にお勧めする少額投資は、株式指標に連動する値動きを目指す「インデックスファンド」で積立運用することをお勧めしています。得られる利益は少しずつですが、リスク(不確実性)も少ない投資です。利益が大きくない分、コストをより意識することが大切です。長期的な視点では小さなコストの差が、後に大きな差となるのです。

加えて、iDeCoやNISA、つみたてNISAなどの税制優遇制度の利用も検討し、有利に資産形成をしていきましょう。このように少しでも負担するお金を減らし、運用成果を最大限受け取れる投資法を構築することが、3,000円投資が成功するか、または思っていたほどではなかったとなるか、明暗を分けるカギとなります。

投資は長期運用で考える

この投資は、20年、30年と長期間を見据えて取り組みます。それは値動きによる利益を期待するというよりは、「複利の効果」に期待したいからです。複利とは、元金より生じる利息からも利息が生じることによって、段々とお金が膨らんでいく仕組みです。投資を始めた2~3年間ほどはあまり利益が付かず、つまらなく感じるかもしれません。しかし、時が経てば経つほど、段々と運用益が増えていくことでしょう。

時間をかけ、時と共に増えた運用益は、少々相場が下がっても、元本まで食い込むほどのマイナス評価にはほぼなりません。つまり、「損をした」とはなりにくいのです。ですから、長期運用の途中で何かしらの経済ショックが起こり、株価の大暴落のようなことが起きても手放す必要はありません。逆に、そのようなときにはスポットで買い増しをしていただきたいほどです。

世界経済の中心である米国経済で言えば、経済ショックは何度も起きていますが、株価は右肩上がりに上がってきています。この先もどんどん上がるのか?と聞かれると保証はできません。ただ、もし何らかの要因で株価が大きく急落したとしても、時間をかけて結果的には戻してくることでしょう。そうなれば、急速に収益が増すわけですし、やはり複利の面でも大きく成長が期待できるのです。

今まで個人投資家として投資を経験してきた方にとっては当たり前で、つまらない話かもしれませんが、初心者の方にはこのような投資の始め方を知っていただきたいと思います。3,000円で投資を始め、少しずつ積み立て、徐々に投資金額を増やし、貯金もする。このようにして数十年先の将来に、備えていくのも良いのではないかと思うのです。