香港ハンセン指数が大幅に反落

週明け9月20日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に反落。

中国本土市場が中秋節で休場の中、中国不動産大手の中国恒大集団の債務問題に対する市場の反応が注目されたわけですが、終値は3.3%安の24,099.14ポイントと11ヶ月ぶりの安値に沈む展開となりました。

その流れを受けて欧米株も大幅安となりましたが、NYダウ平均は一時1,000ドル近くまで下落しながらも終値ベースでは614ドル安と、身構えていたほど下げなかった印象です。

押し目買いの好機となるか、上値抵抗線を上抜け

今週の日本株の動向が注目されます。日経平均は3万円割れも予想されますが、絶好の押し目買いの週になるかどうかが焦点となります。

ここで忘れてはいけないのは、TOPIXがバブル崩壊後の高値で形成される長期の上値抵抗線(1994年の戻り高値を起点にその後の高値をつないで延長した線)を9月の上昇で上抜け、3月高値からの保ち合いから上放れたことです。

相場用語で使われる、高値更新後の「揺り戻し(プルバック)」だとしたら、上値抵抗線が逆に下値支持帯になり、押し目買いの好機になる可能性が高い点を考慮しながら相場をみる必要がありそうです。

ちなみに、「揺り戻し(プルバック)」とは、高値更新後でも売り方にまだ元気が残っていることや、買い方のヤレヤレの利益確定売りが出ることなどが、発生要因の1つと考えられます。

景況感の減速トレンドに注意

ただ、注意が必要なのは景気減速です。NYダウ平均は資本財セクターを中心とした景気敏感株の下げで、主要3指数の中では前から相対的に弱い動きとなっていました。

中国でも新型コロナショックからの急速な改善基調にピークアウト感が出ています。中国恒大集団の債務問題は単に下げを加速させる1つの悪材料にすぎず、株式市場にとって重要なのは当面の景況感の減速トレンドに対する見方となります。

前回のコラムで解説した、連動するはずのNYダウ平均とダウ輸送株指数の足元の逆行現象についてもそうです。景気敏感の輸送株は5月中旬に高値をつけて以降、下落局面(調整局面)が続いている一方、NYダウ平均は上昇基調を続けてきました。

前回のコラムでは、輸送株の再上昇によって両指数が収斂する方にバイアスをかけて話を展開しましたが、NYダウ平均の動きの方が少し怪しくなってきた点には留意が必要でしょう。

 

※こちらのコラムは、2021年9月21日の寄り付き前に執筆しています。