東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は94円高の30,606円で寄り付くと直後に110円高の30,622円まで上昇しましたが、伸び悩むと10時過ぎにマイナスに転じ11時過ぎに203円安の30,308円まで下落し179円安の30,332円で前場を終えました。

157円安の30,353円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に309円安の30,202円まで下落した後13時50分前に139円安の30,371円まで持ち直しましたが、その後再び下げ幅を広げると結局188円安の30,323円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.7%安となっています。

2.個別銘柄等

米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計で原油在庫が予想以上に減少したことによる原油価格の上昇を受けて石油関連株が高く、資源開発大手のINPEX(1605)が一時3.7%高となったほか、石油元売り大手の出光興産(5019)も3.6%高となりました。

建物の維持管理やメンテナンスを担う日本空調サービス(4658)も一時20.4%上昇しストップ高となる場面がありました。保有していた有価証券の一部を売却し特別利益を計上することで通期の純利益の見通しを上方修正し、特別配当の実施により配当予想を引き上げたこともあって買いを集め上場来高値を更新しています。

また、亜鉛の先物相場が約3年ぶりの高値となっていることから東邦亜鉛(5707)も4.9%高となり年初来高値を更新しました。さらに投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが森永製菓(2201)やケンコーマヨネーズ(2915)で、森永製菓が目標株価の引き上げを受けて4.9%高となったうえ、ケンコーマヨネーズも投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.2%高となりました。

一方で東京エレクトロン(8035)が3.0%安となり16営業日ぶりに反落となるなか他の半導体製造装置関連株も安く、ディスコ(6146)が7.0%安となったほか、アドバンテスト(6857)が3.2%安、SCREENホールディングス(7735)が4.3%安、レーザーテック(6920)も2.5%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は188円安となりました。昨日の米国市場が景気敏感株に買い戻しが入り反発したことから買いが先行しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと下落に転じ下げ幅を一時は300円以上に広げました。

昨日は4日ぶりに反落となりましたが、それでも25日移動平均線との乖離率が6.7%と相変わらず5%を超える水準だったうえに、東証1部の騰落レシオも136%と引き続き120%を上回るなど、依然として短期的な過熱感は強いままだったといえます。そのため一旦上値が重くなるのは当然で、スピード調整が必要ということなのでしょう。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や8月の米小売売上高、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)