今週(8月27日~9月2日)の相場動向
相場回顧 BTC:イベント通過後に急騰、一時下落するもETHとともに強い値動き
ビットコインはジャクソンホール会議を通過した後にBTC=539万円(49,000ドル)付近まで急騰した。注目されたパウエルFRB議長の発言では、年内のテーパリングは支持するものの、それが早期利上げを意味するものではないことが強調され、ハト派的な内容が好感された。その後、BTC=550万円(50,000ドル)を前に上値が重くなり、海外取引所のバイラキシー(Bilaxy)やDeFiプロジェクトのクリームファイナンス(Cream Finance)でハッキング事件が起こるなか、BTC=517万円(47,000ドル)付近まで下落した。しかし、イーサリアムがレイヤー2(※)ソリューションの公開を受けて強い値動きとなり、連れ高して反発した。これを受けてNFTやDeFi関連銘柄のアルトコイン物色も加速し、週末にかけては再びBTC=550万円(50,000ドル)を試す展開となった。
相場回顧 ETH:レイヤー2の公開を受けて買いが強まる
イーサリアムはETH=35万円(3,200ドル)付近でもみ合いとなっていたが、31日にレイヤー2(※)ソリューション「アービトラムワン(Arbitrum One)」のメインネットが公開されると、買いが強まった。主要なDeFiプロジェクトが同ソリューションの採用を発表したこともあって強い値動きが継続し、NFTやDeFi関連銘柄も揃って買われるなか、ETH=42万円(3800ドル)付近まで価格を大きく伸ばした。
※「レイヤー2」とはブロックチェーンの本体とは別のところで取引を処理する技術で、ビットコインやイーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を解決することが期待されている。
来週(9月3日~9月9日)の相場予想
アルトコイン相場のなかBTC=50,000ドルを上抜けることができるか
ビットコインは7月後半から回復を続けてきたがBTC=550万円(50,000ドル)付近で停滞しており、そのなかでアルトコイン物色が強まっている。今週はイーサリアムの急騰もあってビットコインのドミナンスがさらに低下したが、これまで40%を割り込んだ際には反発する傾向にあるため、直近目安として同水準を意識する(現在は42%付近で推移)。
この流れのままBTC=550万円(50,000ドル)を上抜けることができれば、今度はアルトコインから資金を吸収する形(アルトドレイン)で一気に上昇することも考えられる。逆にアルトコインが急落した場合にはビットコインも価格を下げると思われるが、市場環境は改善しつつあることから底堅く推移するだろう。
また、本日の日本時間21時半に発表される米雇用統計(8月)にも要注目である。水曜に発表されたADP雇用統計が市場予想を大きく下回っていた。今回の雇用統計も弱い内容となった場合には、むしろ金融緩和の継続を印象付け、買いを呼び込む可能性もある。
直近上値としてはBTC=572万円(52,000ドル)、下値としてはBTC=517万円(47,000ドル)を意識する。