東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は267円安の2万7013円と続落しました。TOPIXやJPX日経400など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が高安まちまちで材料に乏しいなか日経平均は42円安の2万7238円と小安く寄り付きました。日経平均は寄り付き後にプラスに転じて35円高をつける場面もありましたが買いは続かず再びマイナスに転じると、徐々に下げ幅を広げる展開となりました。
前場を184円安で終えた日経平均は香港株が大幅安となるなどアジア株が軟調に推移したこともあり、後場に入っても軟調に推移すると徐々に下げ幅を広げて一時は326円安の2万6954円と2万7000円の節目を割り込みました。大引けにかけてやや値を戻した日経平均は結局267円安で取引を終えています。
東証1部の売買代金は2兆8305億円となりました。東証33業種は海運業や輸送用機器、非鉄金属など景気敏感セクターを中心に26業種が下げました。一方で電気・ガス業や陸運業、その他製品などのディフェンシブセクターを中心とした7業種が上昇しています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は多くが下落しました。9月の世界の自動車生産台数を4割減少させると発表したトヨタ自動車(7203)は昨日4.4%安となったことに続き、本日も4.1%の大幅安となりました。また、景気敏感セクターが売られるなか8月に入って大幅高が続いていた海運各社が大きく売られて日本郵船(9101)が8.4%安、商船三井(9104)が8.1%安、川崎汽船(9107)も8.2%安とそれぞれ大きく下落しました。
その他にもソフトバンクグループ(9984)、デンソー(6902)、レーザーテック(6920)がいずれも下げています。一方で任天堂(7974)、東京エレクトロン(8035)、塩野義製薬(4507)が上昇しています。材料が出たところでは、株主優待の廃止を発表した出前館(2484)が7.6%の大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
新型コロナウイルスの感染拡大が続き弱い地合いのなか、トヨタ自動車の減産発表、アジア株の弱さなどの悪材料が重なり日経平均は続落して年初来安値を更新しました。買い材料が見当たりづらいなかではありますが、日経平均が終値では2万7000円を割り込まなかったことは注目できそうです。来週以降は2万7000円を意識した推移になると見られ節目をあっさりと割り込んでしまうのか、本日をボトムに値を戻せるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)