今週の日本株相場は戻りを試す展開となるだろう。先週末の米株式市場でダウ平均は4日続伸し、238ドル高の3万5061ドルと過去最高値を更新。終値で初めて3万5000ドルの大台に乗せた。ナスダック総合、S&P500も4日続伸、両指数とも過去最高値を更新した。シカゴの日経平均先物は2万8180円で引けた。週明けの日経平均はギャップアップで始まりそうだ。問題はそのまま堅調を維持できるかだが、2万8000円台半ばまではいけるだろう。

注目は先週水曜日の引け後に決算を発表した日本電産に対する市場の反応だ。日電産の4~6月期の売上高は前年同期比33%増の4474億円、営業利益も60%増の445億円といずれもQUICKコンセンサスを上回った。市場予想を上回る好決算にもかかわらず、先行きの業績見通しを変えなかったことで、発表後の私設取引システム(PTS)では売りが優勢となった。ただし、PTSでは取引参加者が限定的なこと、4連休を控えていたことなどを考えれば、週明けの東証では違う株価反応となることも考えられる。特に米国市場で主要指数がそろって高値更新しており、投資家心理はだいぶ上向いている。好決算の日電産が素直に買われれば、今週から本格化する決算発表への期待も高まるだろう。
今週の決算発表は、26 日に日東電工、中外薬、27 日に信越化学、28 日にエムスリー、TDK、アドバンテスト、日産、キヤノン、29日に ZOZO、OLC、富士通、パナソニック、キーエンス、ファナック、村田製、京セラ、30日にJT、コマツ、NEC、デンソー、三井住友、みずほ、野村、ANA、JR 各社、商船三井などが予定されている。

米国ではIT企業の決算発表が集中する。27日にグーグルの親会社アルファベットとアップル、マイクロソフト、28日にフェイスブック、29日にアマゾン・ドット・コム。
21日に発表された半導体露光装置の世界最大手、オランダのASMLの決算は非常に良好で、2021年12月期の売上高見通しを上方修正した。日本市場は連休でこのニュースに反応できていないので、週明けは半導体関連がにぎわうだろう。
もうひとつのテーマはEV関連か。日本電産の鴻海とのEV 合弁発表に加え、土曜日の日経は日立製作所が2022年末までに、日本、米国、中国にモーターなどEV部品の新工場を設け、生産能力を現在の6倍前後に増やすと報じた。

海外の材料は27、28日に開催されるFOMCだが、今回は大きな材料にはならない見通し。そのほか注目は国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しの公表がある。
今週の日経平均の予想レンジは2万7900円 - 2万8500円とする。