米ドル/円 日足 

週間予想レンジ:109.00~111.00

メインストラテジー:押し目買い

・対円での強気継続
・支持ゾーンしっかり
・紆余曲折でも円安

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週やや波乱したものの、値幅限定だった上、一旦高値をトライ、基本的な流れを維持してきた。もっとも、先週6月3日、4日の値動きが大きく、それぞれADP雇用者数の改善や予想を下回った米雇用統計の結果に敏感な反応を示したが、4月後半からの切り返しを継続した。また週足における変動リズム(陽線、陰線の交代)を保ってきたため、大きな流れは変わらない。

既述のように、先々週大きく続伸、5月12日の高値109.79円のブレイクをもって上昇モメンタムの再開を示唆した。110円台前半を一旦トライし、また大陽線で大引けしただけに、メイン支持ラインの再確認、また保ち合いからの上放れに成功したと見ているため、先週の陰線引けがあっても途中のスピード調整とみなし、これから紆余曲折があっても米ドル高/円安の流れを強化していくだろう。

繰り返し指摘してきたように、メイン支持ラインは、年初来安値から維持されてきただけに、米ドル/円のメイン構造に変わりがなく、保ち合いがあってもスピード調整の一環と見なされ、米ドル全面安のなか、対円だけ強気変動構造が維持され、これからも同構造の強化が想定される。円は主要外貨のうち最弱であり、4月から米ドル全体が大きく反落、また一旦2月安値を割り込んでいたにも関わらず、米ドル対円は強気変動を維持、主要クロス円の軒並み高値更新もあって、円の地盤沈下が目立つことから、円全体のベアトレンドは安易に修正されず、紆余曲折があっても円安が継続される公算が大きい。

そもそも4月に入ってからの反落は、調整小波として見なされており、終値でみれば、年初来上昇幅に対して38.2%反落の範囲に留まり、許容範囲に収まったところも大きかった。スピード調整の一環として許容範囲内なので、切り返し自体もメイントレンドへの復帰とみなし、先々週の続伸でブルトレンドを加速した。先週の値幅限定もあって、モメンタムの強化はむしろこれからだろう。

5月12日の大陽線、米消費者物価指数(CPI)の急伸につられた値動きとされるが、同日米ドル/円の上昇幅が明らかに米ドル全体(ドル指数)より大きいため、米ドル反発する場合、円売りが一番仕掛けやすかった側面を物語っている。その後の保ち合いでは、一旦12日安値に迫ったものの、下値限定で従来の役割を維持したため、あくまでレンジ内の調整と位置付けたのも正解であり、5月27日の急伸、上放れの蓋然性を示した。先週の高値再トライもその流れの一環としてみている。先週6月4日の米雇用統計に影響され、一旦大きく反落したものの、「コップ中の嵐」になる見通しで、メイントレンドの継続を有力視している。

米長期金利の上昇で米ドル買いにつながったと解釈されているが、そもそも最近米サイドの材料、ファンダメンタルズ上の好材料なら米ドル売り、逆に悪材料なら米ドル買いのきっかけになりやすい傾向にあり、これは金融相場の継続や米連邦準備制度(FRB)政策に関する思惑が市場センチメントを支配し、金利の動向により敏感になっていることを示唆しているため、先週米雇用統計の不芳に素直に反応した米ドル安はむしろ短期スパンに限った値動きだと割り切れる。要するに、先週の材料を織り込むなら、これからむしろ米ドル高に転じやすいのではと推測する。材料に基づく米ドル買い時の値幅は、明らかに米ドル売り時の値幅より大きく、内部構造の堅調を示したことも明らかなので、米ドル高はこれからだとみている。

もっとも、調整波の一旦完成も下値余地の限定を示唆している。繰り返し指摘してきたように、年初来の上昇波が加速され、また8円を超えた上昇値幅を達成してきた分、調整自体がむしろ歓迎される値動きがあり、調整があったほうがより健全な上昇波の形成につながるため、ブルトレンドへ復帰をすでに果たしており、年初来高値の再更新を果たすだろう。米ドル全体(ドル指数)の動向も重要ではあるが、円の弱さが目立つ現時点では、米ドル全体の値動きはあくまで二の次ではないだろうか。

より長いスパンでは、年初来の続伸は、2015年高値から引かれてきた抵抗ラインのブレイクを示し、2015年高値から形成された大型トライアングル型の保ち合いが非常に長い歳月がかかっただけに、ブレイクを果たした後の上昇トレンドが大型化されていく公算が大きく、メインシナリオとして維持されている。上昇モメンタムが再開された分、早晩コロナショック後の高値だった111.72円が射程圏に入り、のその後2020年高値の112.22円の再更新を果たすだろう。そのため、メイントレンドに徹したスタンスで臨みたい。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:84.50~87.50

メインストラテジー:押し目買い

・底固く推移継続
・内部構造再確認
・豪ドル/米ドル待ち

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週の値幅が極めて限定的だったため、基本的な見方も全く変わっていない。基本的に先々週の続きとなるが、先々週小幅反騰、高値圏における保ち合いの先行を示唆したため、モメンタムの再開を待つ状態である。先々週から値幅限定だったものの、意味合いとして軽視すべきではなく、ブル志向継続の一環とみなしている。もっとも、5月10日に一旦高値を再更新してから反落し、その後先々週安値83.97円まで続いたものの、先週の切り返しで下値限定を証拠付け、先週の値幅限定自体も高値圏での保ち合いの一環として内部構造の堅調を示唆した。

繰り返し指摘してきたように、84円関門前後の支持を維持できるかどうかは重要であり、維持できればメイン構造や基本的な見方は変わらない。先週週明けからわずかに84円関門を下回ったものの、その後一環して切り返しを展開し、ブル構造を一段と強化すれば、上放れの後ずれがあっても早晩上値トライを果たす公算が大きい。

先日述べたように、3月末安値からの続伸、4月20日高値のブレイクをもって上昇波の再開を示唆した。これは言ってみれば、4月20日の罫線が示した「強気リバーサル&アウトサイド」のサインが「ダマシ」であったこと、ならびにブル構造も証明されたことで、これから紆余曲折があってもブルトレンドの一段延長につながるとみている。この意味では、先週の値動きは限定的だったものの、重要なサインを示していたと言える。

2月高値85.48円に対する一旦更新は、2月高値から形成された一旦「頭打ち」を示唆するフォーメーションの可能性を否定し、大型「ダマシ」の否定でブルトレンドへ復帰するのみでなく、上昇モメンタムの一段加速を示唆した。しかし、その後の反落で高値圏での保ち合いや再調整が進み、先々週から先週までの値動きをもって再度底打ちを確認したとみている。

大事なことは、5月10日の高値更新自体、一時的に留まったものの、軽視すべきではないサインであった。なにしろ、そもそも3月の一旦高値更新は2月高値を超えたものの、一転して反落し、陰線で大引けしたことで高値更新自体の「ダマシ」の可能性も示唆していたからだ。同サインを重視する形で、高値圏での保ち合い自体を軟調サインの1つとみなし、高値を追うというスタンスに距離を置いてきた。3月の続伸や高値更新は、結局一旦失敗した形となり、モメンタムの低下や保ち合いの先行を強く暗示していたため、4月20日の「強気リバーサル&アウトサイド」のサインが有効ではないかと思われた経緯があった。

しかし、その後同日に高値84.76円のブレイク自体が、大きなサインとして鮮明化した。要するに、同日罫線が示した意味合いが「ダマシ」となり、前記見方を否定する上で、かえって上昇トレンドの土台を作り、メイントレンドとしてのブル構造を強化している。言ってみれば、3月高値から時間をかけて高値圏での保ち合いを形成し、4月20日高値の更新をもって同保ち合いの上放れを示し、コロナショック後安値を起点とした上昇波の加速を示唆していた。そのため、その後の高値更新を当然の成り行きとみなしたわけだ。その反落を、高値更新後のスピード調整と見なし、先々週の切り返しで許容範囲内に留まったのみではなく、調整的な値動きの終焉を示唆したとみている。先週の値幅限定があったからこそ、むしろ証拠を示す材料となっている。

テクニカルの視点では、「ダマシ」があったほうがより確率を上げ、また蓋然性が高まるとされ、3月高値からの値動きを結局高値圏での保ち合いと見なしたほうが整合性があると考える。さらに、3月にて2月高値に対する一旦高値を更新し、一旦失敗したようにみえたのも保ち合いの一環として解釈されやすいため、先々週の切り返しをもって元「トライアングル」の上放れを果たした後、元抵抗ラインの延長線に再打診することで、また支持を再確認できたところも大きなサインと見られ、内部構造の堅実さを示唆、先週の値動き限定でも堅調な基調を証拠付けた。

2月高値からの保ち合い自体を「トライアングル」というフォーメーションとみなすため、高値更新をもって上値を追う環境に恵まれた。3月高値からの最大調整幅は約3円なので、その値幅をそのまま上乗せして計算すれば、88円台前半のターゲットを得られるから、しばらく上昇余地を拡大しやすく、豪ドル/米ドルの値動き次第では、また再度高値を追う展開になると想定される。

要するに、3月高値の一旦更新や失敗したようにみえたのも一種の「ダマシ」のサインであり、高値圏での保ち合いの蓋然性が証明された以上、上値トライまた高値再更新をもって抑えられた上昇モメンタムの再開や一段強化が有力視され、先週の84円関門を維持していることから、強気変動の一環と位置付ける。