【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,815.90 ▼321.41 (4/22)
NASDAQ: 13,818.41 ▼131.81 (4/22)
1.概況
米国市場はバイデン政権が富裕層のキャピタルゲイン課税の税率を現行の20%からほぼ2倍の39.6%に引き上げる方針と伝わったことが嫌気され反落となりました。27ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に180ドル安余りまで下落した後昼過ぎに10ドル安程度まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ420ドル安まで下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが上値は重く結局321ドル安の33,815ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も131ポイント安の13,818ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万9000件減の54万7000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、3月の米景気先行指標総合指数も前月比1.3%上昇し市場予想を上回りました。一方で3月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.7%減の601万戸となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも素材とエネルギー、情報技術、一般消費財・サービス、金融が1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が6%安となったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とJPモルガン・チェース(JPM)も2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が安く、マイクロン・テクノロジー(MU)が5%以上下げたうえ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)も3%を超える下落となりました。また、アメリカン航空グループ(AAL)が決算で1株当たり損失が市場予想を上回ったことで4%を超える下落となっています。一方でAT&T(T)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで4%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.54%となりました。ドル円は107円90銭台で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の29,000円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)