前回コラムは25日移動平均線を下回ったところで終えていましたが、その後どのような値動きになったのでしょうか。
前回コラムで指摘したことを振り返りながら検証したいと思います。
25日移動平均線の向きと窓埋め
前回コラムでは、「上向きの25日移動平均線上を回復できるかが注目ポイント」と、指摘しました。また、「25日移動平均線上を回復するようですと、前回発生した窓を埋めると同時に反発期待が高まることになる」とも解説しました。
そこで実際の値動きを見ますと、3月10日に5日移動平均線を上回ると、その後も5日移動平均線上を維持し、3月12日の週末には25日移動平均線上を回復すると同時に、3月3日と4日にあけた窓を埋める結果となりました。
また、3月16日には取引時間中に3万円台に乗せる場面があるなど、反発期待が高まる結果となっています。
しかし、なぜ前週(3月8日~12日)の段階からこうした窓埋めの可能性を予測できたのでしょうか。それは25日移動平均線の上向きが一定期間続くことが分かっていたからです。
チャート上にローソク足だけを表示した場合、ランダムな動きにしか見えませんが、5日や25日、75日と各移動平均線を表示してみると、移動平均線の向きを見ることで株価の動いている方向を読み取ることができるのです。
例えば前週3月9日時点の25日移動平均線の向きを見てみると、緩やかな上向きを続けていましたが、その時点で25日前(2月1日)の株価より上の水準にありました。そのことに加え、その後も株価が切り上がっていくことから、25日前の株価水準を下回ることがなければ、25日移動平均線を下回っていても移動平均線の上昇が続くことが予測できたわけです。
こうした分析に加え、株価が上向きの移動平均線を下回ったままで推移していても、「上向きを続けている間に、その移動平均線上に戻ってくる」といった移動平均線と株価の関係から25日移動平均線上を回復する可能性があるということ、また25日移動平均線と近い水準にある3月月3日と4日の間にあけた窓を埋める可能性も予測できたというわけです。
したがって、単純に「窓を埋めるか埋めないか」といった、2者択一の話ではなく、これは「一定期間、移動平均線が上向きを続ける」ということと、「上向きの移動平均線を下回っていても移動平均線上に株価が戻る」といった「分析としての根拠がある」ということを忘れないようにしてください。
今後、上向きの5日移動平均線上を維持できるか
では今後の展開についてですが、今後は上向きの5日移動平均線上を維持できるかが注目ポイントになりそうです。
仮に5日移動平均線上を維持するようですと、まだ埋まっていない2月25日と26日の間にあけた窓を埋めることが期待されると同時に、高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。またその反面、5日移動平均線上を維持できないようですと、25日移動平均線を下回ると同時に、25日移動平均線も下向きに変化することが考えられるため注意が必要です。
そうした中、今週(3月15日~19日)は、FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合が開催されます。結果と日経平均株価の反応から目が離せない一週間になりそうです。