東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて6日続伸となりました。日経平均は3円高の29,770円とほぼ横ばいで寄り付くと直後に11円安の29,755円と下落する場面もありましたが、直ぐに持ち直しプラスに転じると10時頃から上げ幅を広げ10時50分過ぎには259円高の30,026円まで上昇し189円高の29,956円で前場を終えました。

197円高の29,964円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに216円高の29,983円まで上昇した後14時50分前に126円高の29,893円まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけてやや戻すと結局154円高の29,921円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

しまむら(8227)が一時5.9%高となりました。在庫の適正化を進めたことでの値下げ抑制で粗利が改善したうえ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた巣ごもり消費で部屋着やインテリア商品の販売も好調だったことなどから2021年2月期の業績予想を上方修正したことが評価されました。航空券オンライン販売のエアトリ(6191)も8.4%高となりました。コスト削減の成果が出たことに加え、緊急事態宣言の再発令に伴う旅行事業の落ち込みが当初の想定よりも小さかったことなどから2021年9月期の営業利益の見通しを上方修正したことが好感されました。ICリードフレーム大手の三井ハイテック(6966)も9.1%高となりました。2021年1月期の純利益が黒字転換し、2022年1月も大幅な増益となる見通しを発表したことで買いを集めました。ユーグレナ(2931)も急伸し26.4%高となり昨年来高値を更新しました。実証実験を進めてきたミドリムシ由来のバイオジェット燃料が完成したと発表したことが材料視されました。また、昨日の米国市場でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やアメリカン航空グループ(AAL)などの空運株が大幅高となった流れを受けて日本市場でも日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が買われ、日本航空が3.8%高、ANAホールディングスも2.4%高となりました。

一方で地方銀行の一角が軟調でした。日本生命保険が保有する地方銀行株の約3割を2021年度中に売却する方針を固めたと伝わったことでコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が0.9%安となったほか、千葉銀行(8331)も1.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は154円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したうえ、米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買いが入りナスダック総合株価指数も1%高となったことで買いが優勢となりました。朝方こそ伸び悩みましたが10時頃から上げ幅を広げると一時は30,000円の大台を上回る場面もありました。

ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることもあってさすがに30,000円を維持できませんでした。重要イベントを控え様子見になりやすいなかで30,000円を回復できるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には2月の米小売売上高などが、そして22時15分には2月の米鉱工業生産・設備稼働率などが発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )