◆先週金曜日の日経平均は米国の長期金利上昇を受けて1,200円余りも急落し、歴代10位の下げ幅となった。正確には1,202円26銭円安。その日は2月26日であった。2021.2.26 に1,202.26円安とは何かの暗示か。日経平均の歴代下落幅ランキングを眺めていると、31年前(1990年)の同じ2月26日にも1,569円安という暴落を記録していることを見つけた。これは歴代3位の下げ幅だ。
◆2月ではないが26日の大幅安は他に2回、下落幅ランキング上位20に見つかる。1990年9月の1,108円安と1987年10月の1,096円安だ。下落幅ランキング上位20に26日は4回入っているのだ。1カ月30日として均等の確率で大幅安になるとすれば上位30には1日~30日の日にちがそれぞれ1回ずつ登場するだろう。それなのに上位20に26日が4回ある。これは明らかに大幅安の「特異日」ではないか。
◆そんなことを言うと、「23日」が黙っていない。23日も下落幅上位20に4回入っているのだ。1990年8月、1987年10月、2013年5月、そして1995年1月である。いや、それなら「24日」も負けてはいない。24日は下落率ランキング上位20に3回入っている。2008年10月、2016年6月、そして1972年6月である。1987年10月はブラックマンデーのあった月だから23日と26日が近いのは当然としても、他はこのような「かぶり」がなく、独立した急落だ。これらを見ると暴落は月の下旬に起きやすい…と思ってしまう。
◆いま、ジェフリー・ローゼンタールという人の本を読んでいる。帯にはこうある。「あなたが7回、雷に打たれても、名選手の56試合連続安打も、生き別れの父娘の生き方がそっくりでも、偶然です」。本のタイトルは『それはあくまで偶然です』。単なる数字に過ぎないものに、何か特別な意味を無理やり当てはめがちな僕らにとって、必読の書である。2021.2.26 に1,202.26円安も、もちろん単なる偶然に過ぎない。ローゼンタール氏はトロント大の統計学の教授。13日の金曜日に生まれたにもかかわらず、とても幸せな人生を送ってきたそうである。