東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。日経平均は120円高の28,482円で寄り付くと取引開始から5分で40円高の28,402円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと上げ幅を広げ9時50分過ぎに307円高の28,669円まで上昇しました。上げ幅を縮め190円高の28,552円で前場を終えた日経平均は162円高で後場の取引をスタートさせると節目の28,500円を割り込む場面もありましたが、28,500円を小幅に下回ったところで切り返すと再び上げ幅を広げ引け間際に290円高の28,652円まで上昇し結局284円高の28,646円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

パナソニック(6752)が3.8%高となりました。電気自動車の米テスラ(TSLA)に車載電池を供給する事業が初めて通期で黒字化する見通しとなったことに加え、家電が好調なこともあって通期の営業利益の見通しを1500億円から2300億円に引き上げたことが評価されました。三菱自動車工業(7211)も急伸し11.3%高となりました。10-12月期の営業損益の赤字額が4-6月期や7-9月期に比べて大きく縮小したうえ、固定費の圧縮が進むことなどから通期の見通しを上方修正したことで買いを集めました。丸紅(8002)も5.6%高となりました。11時に決算を発表し原油や銅の資源価格が従来の想定を上回って推移していることなどから通期の純利益の見通しを1500億円から1900億円に引き上げたことで決算発表後に一段高となりました。

また、米長期金利の上昇を受けて米国市場でゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)が大幅高となった流れを受けて日本市場でもメガバンクが買われました。三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が4.0%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.6%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も2.8%高となりました。

一方で日本ユニシス(8056)が11.6%安と急落しました。10-12月期の営業利益が前年同期比14.6%減となり4-6月期と7-9月期の増益から減益に転じたことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は284円高となりました。米国市場の混乱を引き起こしていた個人の投機的取引への懸念が後退したほか、追加の米経済対策への期待が高まったことにより昨日の米国市場が大幅続伸となったことから買いが優勢となりました。また、昨日に決算を発表したTOPIX500採用の3月決算企業22社のうち16社が通期の利益見通しを引き上げるなどここにきて上方修正が増えていることも買い安心感につながっているといえそうです。本日も引け後にはソニー(6758)が決算を発表しますが、株価が高値圏にあるソニーが決算にどのような反応をみせるかが注目されます。

なお、日本時間の22時15分には1月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、4日午前0時には1月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)