東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。日経平均は134円安の28,004円で寄り付くと直後に239円安の27,899円まで下落しましたが、切り返すと9時30分過ぎにプラスに転じ10時10分前に148円高の28,287円まで上昇しました。上げ幅を縮め47円高で前場を終えた日経平均は5円安の28,133円で後場をスタートさせるとしばらく先週末の終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、14時30分過ぎから買いが優勢になると14時40分過ぎには127円高の28,266円まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めた日経平均ですが結局25円高の28,164円で取引を終え昨年来高値を更新しています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

良品計画(7453)が5.5%高となり昨年来高値を更新しました。巣ごもり消費で食品や衣類の販売が伸びたことで第1四半期の営業損益が131億円を超える黒字となり前年の第1四半期の29億円に近い赤字から黒字転換したことで買いを集めました。ローソン(2651)も2.2%高となりました。第3四半期9カ月間累計の営業利益は前年同期比で38%近い減益となりましたが、第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で2%の増益に転じたことが評価されました。自転車販売のあさひ(3333)も3.5%高となりました。2020年12月の既存店売上高が前年同月比46.1%増だったと13時に発表したことで後場に一段高となりました。NEC(6701)も3.7%高となりました。大腸がん検査の内視鏡画像を人工知能(AI)がリアルタイムで解析し医師ががんや前段階のポリープを見つけることができる医療機器の販売に乗り出すと報じられたことが材料視されました。中外製薬(4519)も5.9%高となり昨年来高値を更新しました。中外製薬が開発したリウマチ治療薬について英政府が新型コロナウイルス治療に有効だと発表したことが好感されました。

一方でウエルシアホールディングス(3141)が6.7%安となりました。第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で5%近い増益に止まり、第1四半期の30%近い増益と第2四半期3カ月間の55%を超す増益から伸びが大きく鈍化したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は25円高となりました。昨日の米国市場が主力ハイテク株に利益確定の売りが出て反落となったことで下落して始まり28,000円を一旦割り込みましたが、朝方の売りが一巡すると切り返し一時は150円近く上昇する場面もありました。節目の28,000円を割り込むと押し目買いが入り、プラスに転じると上値を買い上がるなど一日を通して物色意欲の強さを再確認する一日だったといえます。

なお、2月決算銘柄の決算発表が本格化していますが、本日も引け後にセブン&アイ・ホールディングス(3382)が決算を発表するほか、1月下旬からスタートする3月決算企業の第3四半期決算発表を占ううえで注目度が高い安川電機(6506)も決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)