はじめまして、CXRエンジニアリング代表の加藤こと、「ひろぴー」です。(※プロフィールは文末に詳細を記載しております。)

この度、マネックス証券のマネクリにて、暗号資産コラムを担当します。

現在、ビットコインの時価総額は65兆円前後となっており、(1BTC350万円計算)アルファベット(グーグル)の時価総額と同等水準の規模まで成長しました。インターネット2.0時代を支える技術は、ブロックチェーンです。このイノベーションに興味をもつ投資家は世界中で増加傾向にあります。また、NASDAQの上場企業の中には、2020年から内部留保の一部を米ドルからビットコインに切り替えはじめた企業も複数社存在し、ビットコインへの資本流入が続いていると考えられます。

2020年GAFAMとBTCを比較

さて、史上最高値を更新していたビットコイン(以下、BTC)に興味を持っている方も多いかもしれません。ここで、2020年のGAFAM(アルファベット(グーグル)、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドットコム、マイクロソフト)と比較した年間パフォーマンスを比較した資料を紹介します。

【図表1】ドル建てのBTCと米国株(GAFAM)パフィオーマンスの比較
出所:Trading View

2020年のGAFAMで最もパフォーマンスが良かったのは、アップル(AAPL)です。年初からは76%の上昇率でした。最もパフォーマンスが悪かったのは、フェイスブック(FB)で28%の上昇でした。
その他、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン・ドットコム(AMZN)、アルファベット(GOOG)は30〜70%のパフォーマンスでした。
一方で、BTCの上昇率は311%となりました。
直近24時間(2021年1月4日13時起点)のBTC売買出来高は8兆円を超えています。
現状の東京証券取引所の売買出来高2から3兆円よりかなり多いことになります。
この出来高の多さから考えると、流動性が少ないこともなく、BTCに興味を持つ多くの投資家が世界中で増えていると考えられます。

では、テクニカル分析について解説します。

ビットコイン、押し目買いポイントの考え方

BTC週足は急激な上昇

【図表2】BTC/JPY 週足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

2020年のBTCはコロナショック後、一時40万円台に落ち込む場面もありましたが、夏以降は100万円前後で値が動き安定していました。
そして10月ごろから上昇相場がはじまり、11月から12月にかけて強烈な上昇相場となりました。
BTCにおいて、テクニカル分析は有効なのか?と懐疑的に感じられる方もいらっしゃるのかもしれませんが、株式やFXより素直な値動きをすることが多いと思います。
その細かいポイントを以下、ご紹介していきます。まずは日足チャートで分析していきましょう。

ボリンジャーバンド+1σが押し目買いのチャンスか!?

【図表3】BTC/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

テクニカル指標はボリンジャーバンド±1~±3σ中心線SMA20、MACDを掲載しております。この数週間のトレンドは+1σ後半から+2σゾーンを推移しながらバンドウォークが発生しました。
BTCのトレンドは比較的シンプルで単調なトレンドを描く傾向が多く、このリズムを狙って短期売買を検討するなら、ピンクのラインで描いた+1σの延長ラインを意識した押し目買いを検討するのが選択肢の1つかもしれません。

この日足ベースで考えると、このピンクラインをイメージするなら325万円〜330万円付近でしょうか。今週(1月4日週)の火曜〜水曜にこの付近に差し掛かる場合は絶好の押し目買いチャンスとなる可能性があります。
仮にボリンジャーバンド+1σを終値ベースで割り込んだ場合、調整に入る確度が上昇し、損切りを検討するポイントとなります。

トレンドライン、押し目は325万円付近がチャンスか?

【図表4】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

トレンドラインを引いてみましたが、1月4日NY時間から1月5日にかけてこのトレンドラインまで押し目を形成する場合はチャンス到来となりそうです。
前述どおり、日足分析でも1月5日あたりにこの水準に達してきますと、ボリンジャーバンド+1σにタッチしてくる水準と重なりますので、テクニカル分析の条件は重なります。クラスターポイントとなりますので、テクニカル的には絶好の買い場になりそうです。
325〜330万円は注目でしょう。
但し注意点としては、次の上昇で仮に高値である355万円付近を越えていった場合、現在のMACD形状からすると、ダイバージェンスを発生させる可能性は高そうです。
その場合は、4時間足ベースで天井が近い合図になりますので、利益確定も早めに準備しておくと良いでしょう。

時価総額2位のETHに投資妙味!?

次に紹介するコインは時価総額2位のEthereum:イーサリアム(以下,ETH)です。
ロシア系カナダ人のヴィタリック・ブリテン氏が考案したコインです。
彼はまだ当時わずか19歳でこのEthereumを考案しました。
技術的には世界的に最も評価されているコインの一つで、時価総額は不動の2位を何年も堅持しております。ETHの時価総額は10兆円規模となっていますが、ビットコインと比較するとまだ1/6程度です。
2017年の高値は17万円ほどでしたから、まだ史上最高値更新には程遠いのが現状ですが、上値の余地はまだまだあるのではないのでしょうか?

【図表5】ETH/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETHは昨日(1月3日)から急騰しました。7万円台後半だったコインが1日で10万円と30%近くも上昇したのです。
ポジティブなファンダメンタルズ要因については、今週どこかで米国あたりから発信される可能性があるかもしれません。事前に情報を得た投機筋が買い上げてきた可能性があります。

テクニカル指標を見ていきますと、ETH/JPY日足は本日(1月4日)+3σを既につけています。高値は10万4600円付近です。本日(1月4日)に限ってはこれ以上の情報は難しいかもしれません。
ドル建てでは1ETH=1000ドルという大台にもタッチしましたので、達成感はありますが
1月5日、6日にかけて一度、調整が発生する可能性も高く押し目買いを狙いたい水準とも考えられます。

【図表6】ETH/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

順張りトレードを狙った押し目買いポイントを4時間足チャートにて分析していきます。
BTC/JPY同様に、ETH/JPYについてもバウンドウォークが開始されております。
+1σあたりの下落時が、押し目買いのポイントだと考えられます。
この押し目買い水準でポジションを仕込むことができれば、明日(1月5日)以降、日足チャートのボリンジャーバンド+2σも+3σも大方切り上がると思いますので、順張りトレードはしやすいと考えられます。2月8日にCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)にて、ETHの先物取引がスタートすることも好材料の1つと考えられます。

BTC先物取引は3年ほど前からスタートしていますが、ETHもようやく認可が降りました。CMEを介してETH先物取引に参入できるヘッジファンドの投資機会は増えるでしょう。2021年、ETHは時価総額を大きく伸ばす年になるかもしれません。

次回の更新は祝日明けの12日火曜日となります。