ユーロ/米ドルの今後の行方
先週、1.2米ドルの大台を超えてから一段高となったユーロ/米ドルだが、昨日まで2営業日連続で「陰線」となった(図表1参照)。10日予定のECB(欧州中央銀行)会合での追加緩和などが警戒されたという。ではユーロ高はもう終わったのか、それともあくまでユーロ高の小休止、「息継ぎ」に過ぎないのか。
【図表1】ユーロ/米ドルの日足チャート(2020年9月~)
ユーロ/米ドルは先週にかけて一段高となったが、こんなふうに、4年に一度の米大統領選挙終了後から一方向へ大きく動き出すのは、米ドル/円などでこれまで繰り返されてきたプライス・パターンだった。
米大統領選挙前までの小動きが嘘だったように、選挙後から一方向への大相場へ「豹変」した米ドル/円の過去2回のケースについて調べたところ、一方向への大相場が始まると、それと逆行する動きは限られた。具体的には、過去2回の場合、選挙後大相場はともに米ドル一段高だったが、その中ではそれと逆行した日足陰線は小幅に3営業日以内にとどまっていた(図表2、3参照)。
【図表2】米ドル/円の日足チャート (2016年11~12月)
【図表3】米ドル/円の日足チャート(2012年11~12月)
一方向への大相場の場合も、「息継ぎ」はある。それについて、米大統領選挙後の大相場を参考にすると、メイン・トレンドと逆行する「息継ぎ」は小幅に3営業日以内に一巡していた。
これを今回のユーロ/米ドルに当てはめて考えてみよう。先週末のユーロ/米ドルの終値は1.21米ドルだったので、これを今週前半に大きく下回らないようなら、あくまでユーロ一段高の「息継ぎ」の範囲内の可能性に過ぎず、そうではなくて、1.21米ドルを大きく、長く下回るようなら、選挙後の一方向への大相場ではない可能性も考える必要が出てくるのではないか。