東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。日経平均は97円高の26,884円で寄り付き直後に102円高の26,889円まで上昇しましたが、急速に上げ幅を縮め取引開始から2分程度で下落に転じるとしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、10時ごろから売りが優勢となり10時10分過ぎに92円安まで下落すると31円安の26,756円で前場を終えました。プラスに転じ11円高の26,798円でスタートした後場の日経平均は14時40分前に64円高の26,852円まで上昇しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局13円高の26,800円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

コマツ(6301)が一時3.0%高まで上昇し1月17日に付けた年初来高値を更新しました。一昨日や昨日に発表された中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が揃って改善をみせたこともあって物色の矛先が向かいました。また、中国の景気回復期待から大手海運株も高く、なかでも川崎汽船(9107)は3.7%高となり1月6日に付けた年初来高値を更新しました。百貨店などで惣菜を販売するロック・フィールド(2910)も10.7%高と急伸し年初来高値を更新しました。上期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したことで営業利益が減益予想から一転して増益予想となったことで買いを集めました。さらにアスクル(2678)が11月の単体売上高が前年同月比で11.1%増と高い伸びとなったことで5.0%高となり、外資系証券が目標株価を引き上げたことでホンダ(7267)も5.1%高となっています。

一方で西松屋チェーン(7545)が2.7%安となりました。通期の業績予想を上方修正したことで上昇して始まり一時は5.1%高まで上昇しましたが、材料出尽くしとなり利益確定の売りが出て下落して取引を終えています。伊藤園(2593)も3.8%安となりました。上期決算を発表し新型コロナウイルス感染拡大の影響が期末まで続くと想定を変更したことで通期の業績予想を下方修正したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は昨日の米国市場が反発しS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が揃って史上最高値を更新したことから続伸となりました。しかし、一時マイナスに転じるなど上値の重い展開でした。昨日時点で25日移動平均線との乖離率が7%となっていて過熱感があったことや、戻り目途の一つとみられていた1989年に記録した過去最高値(38,915円)から2009年に付けたバブル崩壊後の安値(7,054円)までの下げ幅の61.8%戻し(26,745円)の水準を上回ってきたことで利益確定の売りが出やすかったといえます。依然として年末株高への期待は高いといえそうですが、スピードを調整しながらということなのかもしれません。

なお、日本時間の22時15分には11月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、3日の午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)