東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。日経平均は7円安の26,530円とわずかに下落して寄り付くと直後に64円安まで下落しましたが、下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ10時10分過ぎに109円高の26,647円まで上昇しました。しかし、上げ幅を縮めるとマイナスとなり11時過ぎに118円安の26,419円まで下落し30円安の26,506円で前場を終えました。18円安の26,518円でスタートした後場はまもなくしてプラスに転じると13時50分過ぎに135円高の26,672円まで上昇し本日の高値を付けました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均ですが結局107円高の26,644円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

東京ドーム(9681)が16.7%上昇しストップ高となりました。三井不動産(8801)が1000億円超を投じて東京ドームにTOB(株式公開買い付け)を実施し子会社化を目指すと報じられたことで買いを集めました。三井不動産も東京ドームを傘下にすることで新たな収益源ができるこが期待され一時3.2%高となる場面もありました。再編への思惑から他の不動産株も高く、平和不動産(8803)が5.9%高、野村不動産ホールディングス(3231)が5.2%高、ダイビル(8806)が7.5%高となっています。ダイドーグループホールディングス(2590)も一時5.4%高となりました。第3四半期の決算を発表し通期の営業利益の見通しを人気アニメ「鬼滅の刃」のキャラクターの缶コーヒーが好調で引き上げ、前期比で38%近い減益予想だったものが一転して48%を超す増益予想となったことが好感されました。また、島津製作所(7701)と第一三共(4568)が上場来高値を更新しました。島津製作所は最短90分で結果が判明するタイプの新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査装置を開発したと伝わったことが材料視され2.4%高となったほか、第一三共も目標株価の引き上げを受けて3.0%高となりました。一方で半導体商社の菱洋エレクトロ(8068)が5.6%安となりました。第3四半期の決算を発表し通期の営業利益の見通しを17億円から13億円に下方修正したことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は107円高となりました。下落する場面もありましたが、節目の26,500円を割り込むと切り返す展開で上昇となりました。昨日の米国市場が感謝祭の祝日による休場で新たな買い材料が乏しいなかで昨日時点の25日移動平均線との乖離率が7.6%まで開いていたことから高値警戒感から大きく下げてもおかしくなかっただけに押し目買い意欲の強さを改めて知る一日となりました。来週から師走相場入りとなりますが、下げそうで下げない展開が続いているだけに年末株高への期待が一段と高まりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )