東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は99円安の25,628円で寄り付き直後に77円安の25,650円までやや持ち直した後下げ幅を広げると取引開始から30分で195円安の25,532円まで下落し161円安で前場を終えました。188円安でスタートした後場の日経平均は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が500人以上で過去最多になったと伝わるとやや下げ幅を広げ節目の25,500円を割り込んで13時前に253円安の25,474円まで下落し本日の安値を付けました。しかし、その後持ち直し25,500円を回復すると引けにかけて下げ幅を縮め結局93円安の25,634円と後場の高値で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

新型コロナウイルスの新規感染者数が全国で拡大するなか巣ごもり需要の拡大で宅配需要が増えるとの思惑から佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(9143)やヤマトホールディングス(9064)が買われ、SGホールディングスが9.0%高、ヤマトホールディングスも4.6%高となりました。また、ジャスダック市場では出前館(2484)に物色が向かい8.5%高となっています。一方で新型コロナウイルス感染拡大を受けて鳥貴族(3193)やラウンドワン(4680)などが安く、鳥貴族が4.0%安、ラウンドワンも3.6%安となっています。さらにシャープ(6753)が7.8%高となりました。NTT(9432)によるTOB(株式公開買い付け)で上場廃止になるとみられるNTTドコモ(9437)に替わって新たに日経平均採用銘柄に決まったことが材料視されました。反対に採用銘柄の候補として一部で名前があがっていたアンリツ(6754)や村田製作所(6981)、ローム(6963)が売られ、アンリツが一時4.7%安となったほか、村田製作所も一時2.8%安、ロームも一時5.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は93円安となりました。昨日の米国市場が新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気して続落となったことから売りが優勢となりました。前場は節目の25,500円を前に切り返しましたが、後場に入って東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が連日で過去最多になりそうと伝わると25,500円を割り込みました。しかし、25,500円を小幅に下回ったところでは押し目買いも入り下げ渋ると引けにかけて下げ幅を縮めました。昨日時点で25日移動平均線との乖離率が6%を超えるなど短期的な過熱感がある割には底堅かったといえそうで、TOPIXは小幅に反発となっています。なお、米国では多くの経済指標の発表が予定されており、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数や11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が、そして20日の午前0時には10月の米中古住宅販売件数や10月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )