2020年も「ふるさと納税」の申し込み期限を意識する季節がやってきました。ふるさと納税については、以前から各所で紹介されているのでご存知の方が多いと思いますが、「まだまだやったことがない!」という人も実は多いように思います。

ふるさと納税は各自治体に寄付をする制度のことです。寄付総額から自己負担2,000円を超えた金額が翌年の住民税から引かれる仕組みですので、金額だけを見るとお得さは感じられません。しかし、寄付をした自治体から寄付額の3分の1ほどの特産品等がもらえるため、その品物などの分が、お得になる人気の制度です。

他にも特産品等を貰わず、目的を定めて寄付をすることもできます。今回は少しずつ多様化しているふるさと納税についてご紹介します。

応援をかたちにできる「ふるさと納税」

自分の出身地やゆかりのある土地、もしくは興味のある特産品等を提供する自治体に寄付をすることが、ふるさと納税の主な目的です。ですが最近は、さまざまな事情で寄付を募っている自治体の”寄付の窓口”という役割も果たしています。寄付がより気軽にできるようになったということでしょう。

最近では、ふるさと納税を活用した「災害支援」や「クラウドファンディング」といった活動も見られます。ふるさと納税を通じて自分が応援したい事業、自治体、生産者をよりはっきりと選ぶことができるのです。寄付のお金が届く先が明確であると、寄付をする側も安心です。そして、目的をもって寄付をすることで、「応援している」という気持ちをかたちにすることができるのです。

「災害支援」も簡単に

自然災害は毎年のように発生しています。豪雨、地震等による家屋の倒壊など、住まいすら失ってしまうような被害も多く、被災地復興の活動が話題になることも多いです。

ふるさと納税では、このような被災地が1日でも早く復興されるよう、寄付の窓口となっています。ふるさと納税のウェブサイトからクレジットカード等で寄付が可能ですので、速やか、かつダイレクトに寄付された全額が被災自治体に届きます。返礼品はありません。

2020年では豪雨被害にあった熊本県の各市町村、大分県、長野県など多数の自治体が寄付を募っています。さかのぼれば、2014年の長野県の地震被害に対しても寄付ができます。

また、コロナ禍で影響を受けた地域や事業に関する支援も募集されています。外出自粛や学校の一斉休校により、行き場を失った肉、魚、野菜、果物、花などを寄付の返礼品として提供することで、ロスが少なく済むような活動がされています。

「クラウドファンディング」にも参加できる

企業の事業や個人の活動などを応援する「クラウドファンディング」という言葉をきいたことがあると思います。

ネット上でプロジェクトへの資金調達をする仕組みのことなのですが、実際に物やサービス、体験などを受け取る「購入型」と、配当や運用益を受け取る「金融型」、寄付をする「寄付型」の3種類があります。この「寄付型」を利用したのが、ふるさと納税におけるクラウドファンディングです。
 
複数の自治体が協力してプロジェクトを打ち出し、それに対して寄付をするものです。たとえば「罪のない動物の殺処分をなくす」、「厳しい生活環境の子ども達を応援する」、「新型コロナで頑張っている医療従事者を応援」など、様々なプロジェクトがあります。

「応援したい」と思えるようなプロジェクトが多数ありますし、それぞれがどのような活動をするための資金になるのかも明示されていますので、安心して寄付ができます。

寄付の上限額に注意

ふるさと納税では単に返礼品を受け取るだけではなく、自治体、ひいては日本を良くしようという活動に「寄付」というかたちで参加できます。また、少ない自己負担で参加できるということもあり、複数の自治体、プロジェクトに寄付したいという人もいるでしょう。

ですが、1つ気を付けていただきたいのは、「寄付の総額」です。自己負担を2,000円に抑えるには、年収によって変わる上限額に注意しなければなりません。これを超えてしまうと、自己負担額が増え、悪いことではないのですが、「単に寄付した」ということになってしまいます。

2020年はコロナ禍の影響で収入状況が例年通りとはいかない人もいるかと思います。ですから上限額には注意し、残る2ヶ月の間で、ふるさと納税を楽しんではいかがでしょうか。