東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。日経平均は30円安の23,588円で寄り付くと10時過ぎに111円安の23,508円まで下落するとやや戻し75円安の23,543円で前場を終えました。115円安でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に118円安の23,501円まで下落し本日の安値を付けましたが、節目の23,500円を割ることなく踏み止まるとその後やや持ち直し結局61円安の23,558円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は年初来高値を連日で更新しています。また、こうしたなか商いは低調で東証1部の売買代金は1兆7455億円に止まり2兆円を下回っています。

2.個別銘柄等

先週末の取引終了後に発表した決算を受けて下落する銘柄が目立ちました。安川電機(6506)は決算で未定としていた期末の配当予想を公表し、年間配当が24円と前期の52円から半分以下になる見通しを示したことで5.4%安となりました。また、上期の営業損益が赤字となったオンワードホールディングス(8016)や吉野家ホールディングス(9861)も大きく下げました。上期の営業損益が115億円近い赤字となったオンワードホールディングスが6.4%安となり年初来安値を更新したほか、60億円近い赤字となった吉野家ホールディングスも7.0%安となりました。

一方でビックカメラ(3048)が8.5%高となりました。先週末の取引終了後に発表した決算で2021年8月期の営業利益が前年同期比24.3%増の150億円と大幅な増益となる見通しを公表したことで買いを集めました。サカタのタネ(1377)も6.5%高となり年初来高値を更新しました。先週末の引け後に発表した第1四半期の決算で上期の業績予想を上方修正したことが好感されました。ジンズホールディングス(3046)も急伸し11.6%高となり上場来高値を更新しました。これまで配当を期末配当の年1回としてきましたが、株主への利益還元の機会を充実させるため2021年8月期より中間配当と期末配当の年2回実施する方針に変更したことが評価されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は61円安となりました。先週末の米国市場は追加の米経済対策への期待から続伸となりましたが、日経平均が昨年末の終値の水準(23,656円)に近づいていることもあって利益確定の売りが優勢となりました。本日は節目の23,500円を割ることはありませんでしたが、日経平均は23,500円を超えてくると押し返される展開が続いているだけに23,500円を明日以降も維持できるかがポイントとなりそうです。なお、小売企業の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にヨンドシーホールディングス(8008)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)