【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28,425.51  △122.05 (10/8)
NASDAQ: 11,420.98  △56.38 (10/8)

1.概況

米国市場は追加の経済対策の一部が実現するとの期待から続伸しました。ダウ平均は45ドル高でスタートすると155ドル高まで上昇しましたが、民主党のペロシ下院議長がトランプ米大統領が提案する個別の追加経済対策を支持しない方針と伝わると上げ幅を縮め昼前に下落に転じました。しかし、37ドル安で下げ渋り持ち直すとその後はプラス圏で推移し結局122ドル高の28,425ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も56ポイント高の11,420ポイントとなりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から9000件減の84万件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが4%近く上昇したほか、公益事業も2%近く上げました。また、不動産と金融、素材も1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもIBM(IBM)が非中核事業であるインフラサービス事業をスピンオフ(分離・独立)し成長分野であるクラウド事業に注力すると発表したことで6%近く上げ上昇率トップとなりました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%高となったほか、ダウ(DOW)とゴールドマン・サックス(GS)、ボーイング(BA)、JPモルガン・チェース(JPM)も2%以上上げています。さらに原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も2%近く上昇しました。一方でアムジェン(AMGN)が心不全の治療薬の治験で一部の評価項目が振るわなかったことを受けて7%近く下げ下落率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、宅配ピザ大手ドミノ・ピザ(DPZ)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで7%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの0.78%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は大幅高となった後ということもあって様子見でのスタートが予想されます。利益確定の売りも出やすいなかで日経平均が底堅さをみせ昨日の堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)