東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて小幅に下落しました。日経平均は161円安の23,272円と本日の安値で寄り付きましたが、朝方の売りが一巡するなかで下げ幅を縮め11時10分前には26円安の23,407円まで持ち直し38円安で前場を終えました。60円安でスタートした後場の日経平均は14時30分ごろから下げ幅を縮め14時40分過ぎに1円安の23,432円まで戻すとその後も23,400円を小幅に上回って推移し結局10円安の23,422円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上げたほか、新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は本日も年初来高値を更新しています。また、こうしたなかで商いは低調で東証1部の売買代金は1兆9325億円と昨日に続いて2兆円を下回っています。
2.個別銘柄等
ディスコ(6146)が4.6%高となりました。昨日の取引終了後に発表された7-9月の個別出荷額の速報値が次世代通信規格「5G」市場の拡大を受け前年同期比29.4%増と大幅な伸びになったことが好感されました。Olympicグループ(8289)もこれまで未定としていた業績予想を公表したことで急伸し19.7%高となり年初来高値を更新しました。通期の営業利益が前期比6.8倍と大幅な増益となる見通しを発表したことで買いを集めました。
また、マザーズ市場ではサイバーダイン(7779)が急伸し年初来高値を更新しました。米食品医薬品局(FDA)から装着型ロボット「HAL」の医療用下肢タイプが医療機器承認を取得したと発表したことで19.0%上昇しストップ高となりました。一方でヤクルト本社(2267)が7.1%安となりました。大株主の仏食品大手のダノンが保有するヤクルト本社の全株式を売却したと発表したことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は10円安となりました。トランプ米大統領がツイッターに大統領選後まで追加の経済対策の協議を中止するように指示したと投稿したことで昨日の米国市場が大幅反落となったことで売りが優勢となりました。しかし、米国市場が大きく下げた割に日経平均は小幅な下げに止まりました。また、寄り付きで割り込んだ25日移動平均線(23,300円)も引けでは上回っており底堅さを印象付ける一日となりました。なお、小売企業の上期決算発表が本格化していますが本日も引け後にウエルシアホールディングス(3141)やファミリーマート(8028)、イオン(8267)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の8日の3時には9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)