【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,816.90 △35.20 (10/1)
NASDAQ: 11,326.51 △159.00 (10/1)
1.概況
米国市場は主力ハイテク株への買いを支えに続伸となりました。ダウ平均は158ドル高でスタートすると追加の経済対策合意への期待から朝方に259ドル高まで買われましたが、協議の行方を見極めたいとのムードが次第に強まるなか上値が重くなると上げ幅を縮め午後には112ドル安まで下落する場面もありました。しかし、引けにかけて持ち直したダウ平均は結局35ドル高の27,816ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も159ポイント高の11,326ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万6000件減の83万7000件となり市場予想を上回る改善となりました。8月の米建設支出も年率換算で前月比1.4%増となり市場予想を上回りました。8月の米個人消費支出(PCE)も前月比1.0%増となり市場予想を上回っています。一方で米個人所得は前月比2.7%減となり市場予想を下回りました。9月の米ISM製造業景況感指数も55.4と前月から低下し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、不動産と一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、公益事業が1%以上上昇しました。一方で4業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、素材も1%を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
主力ハイテク株が総じて堅調で動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%を超える上昇となったほか、電気自動車のテスラ(TSLA)も4%以上上げました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上上げ、フェイスブック(FB)も2%近く上げています。また、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とマイクロソフト(MSFT)も1%以上上げ、アップル(AAPL)も1%近く上昇しました。さらに電気トラックのニコラ(NKLA)も経営陣が生産計画や工場の建設計画について順調に進んでいるとの見方を示したことで18%近く上げています。家庭雑貨小売り大手のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)も6-8月期の既存店売上高が14四半期ぶりに増加に転じたことで急伸し25%余り上げています。一方でデータの保管・分析を手掛けるスノーフレイク(SNOW)は株価が割高との指摘を受けて3%安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの0.68%となりました。ドル円は105円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日は障害が発生したことで東京証券取引所の全銘柄の取引が終日停止となりましたが、東京証券取引所は本日の取引を通常通り実施する予定だと発表しています。こうしたなか本日の日本市場は米国市場が続伸となったことで上昇してのスタートが予想されますが、大きな混乱なく取引が再開されるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)