東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅下落となりました。日経平均は131円安の23,215円で寄り付くと取引開始から15分弱で249円安の23,096円まで下落しましたが、朝方の売りが一巡すると10時40分前には111円安の23,234円まで持ち直し132円安で前場を終えました。167円安の23,179円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに307円安の23,039円まで下げ幅を広げ本日の安値を付けるとその後やや戻したものの結局258円安の23,087円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
しまむら(8227)が5.3%高となり年初来高値を更新しました。婦人服や寝具に特化した新ブランドが好調に推移したことなどで9月の既存店売上高が前年同月比11.1%増と8月の4.5%減から増収に転じたことが好感されました。西松屋チェーン(7545)も育児・服飾雑貨の売上高が好調だったうえ、気温低下に伴い秋物衣料が伸びたことなどで9月の既存店売上高が10.9%増となったことから一時3.8%高まで買われる場面がありました。上げ幅を縮め引けは0.8%高となっています。調剤薬局大手の日本調剤(3341)も4.9%高となり年初来高値を更新しました。上期の業績予想を上方修正し、経費抑制に加えて利益率の高い医薬品の販売が好調だったことなどから赤字予想だった純利益が一転して黒字予想となったことが評価されました。玩具や家庭用ゲーム機の卸会社のハピネット(7552)も急伸し12.5%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり傾向を受けニンテンドースイッチの関連商品が好調で大幅な営業増益が見込まれる通期の業績予想を発表したことで買いを集めました。
一方で日立物流(9086)が4.7%安となりました。佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(9143)との資本・業務提携を解消する方針を固めたと伝わったことが嫌気されました。SGホールディングスも一時3.6%安となる場面がありました。下げ幅を縮め引けは1.3%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は258円安となりました。米国市場で主力ハイテク株を中心に幅広い銘柄に売りが出てダウ平均が525ドル安となり、ナスダック総合株価指数も3%安となったことから大幅安となりました。その結果8月11日以降引けで割り込むことがなかった25日移動平均線(23,216円)を本日は引けで下回りました。昨日は25日移動平均線を一時下回ったものの下げ渋ると引けで上回って取引を終えましたが、米国市場が下げ止まらないとさすがに25日移動平均線を維持し続けるのは難しいようです。こうしたなか今晩の米国市場の動向が注目されますが、主力ハイテク株への売りが続いた場合には日経平均が節目の23,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が、そして23時には8月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)