東京市場まとめ

1.概況

本日の日本市場は小幅に下落しました。114円安の23,245円で寄り付いた日経平均は10時30分前に205円安の23,154円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると139円安の23,220円で前場を終えました。104円安でスタートした後場の日経平均は14時前に111円安の23,248円までやや下げ幅を広げた後持ち直すと14時40分前にプラスに転じ大引け間際に9円高の23,370円まで買われ本日の高値を付けましたが、引けにかけて売りが優勢になると結局13円安の23,346円と小幅に下げて取引を終えています。一方で新興市場は高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

ホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)と家具専門店大手の島忠(8184)が急伸しました。DCMホールディングスが島忠を傘下に収めるためにTOB(株式公開買い付け)の検討を始めたと伝わったことで業容拡大への期待から13.2%高となり上場来高値を更新しました。島忠も17.4%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しています。ワタベウェディング(4696)も25.3%上昇しストップ高となりました。政府が少子化対策の一環として新婚世帯の家賃や引越費用など新生活にかかる費用について来年4月から補助金の上限を60万円に倍増させる方針を固めたと伝わったことで物色されました。

富士フイルムホールディングス(4901)も4.9%高となりました。10月にも新型コロナウイルスの治療薬としてアビガンの製造販売の承認を申請すると発表したことが好感されました。クラボウ(3106)も一時5.4%高となる場面がありました。クラボウの抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術であるクレンゼで加工した繊維素材に新型コロナウイルスに対する抗ウイルス効果があることを確認したと発表したことが注目されました。引けは3.0%高となっています。また、アスクル(2678)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.2%高となっています。

一方でパナソニック(6752)が3.7%安となりました。電気自動車の米テスラ(TSLA)が車載電池の基幹部品であるセルを自社生産すると発表したことで現在テスラの電池を生産するパナソニックが売られました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は13円安となりました。昨日の米国市場は反発したものの、先週末と週明けの下げが大きかったことから売りが優勢となりました。しかし、日本市場が休場中にダウ平均がトータルで613ドル安となった割に日経平均は僅かな下落に止まりました。下げ渋ったことで日経平均は8月11日以降に引けで割り込むことがなかった25日移動平均線(23,215円)を本日も上回って取引を終えています。引き続き下落局面では25日移動平均線を維持できるかが、反対に上昇となった場合には節目の23,500円を超えられるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時45分には9月の米PMI速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)