「投資の原資にできるお金を準備したい。そう思っていても、なかなかお金が貯まらない」という人は多いでしょう。様々なお金を貯める方法が紹介されていますが、中でも「財布を小さくする」ということは、現代のお金との付き合い方に合っており、お勧めできる方法の1つです。
お金が貯まらない人の財布の特徴
家計相談に応じていると、時々お客様の財布を目にすることがあります。お金が貯まらないことを悩んで相談に来られた方の財布には、共通する特徴があります。それは、財布の中にクレジットカードやポイントカード、割引券などがたくさん入っていて、パンパンに膨らんでいることです。使い始めのころの倍くらいに膨らんでいるのではないかと思える場合もあります。
「いま入会すると、1,000円の商品券をプレゼント」などという勧誘につられて入会したクレジットカード。「ポイントを貯めたら500円の商品券になりますよ」と言われて作ったポイントカード。レジのおつりと共に渡された割引券も、「次回100円引きなら取っておこう」と思ってしまいがちです。このように、「いずれお得を享受できるだろう」と期待してしまい込んだもので、財布の中がいっぱいなのです。
このような財布を使っていると、どうでしょうか。お金がいくら入っているか、わかるでしょうか。カードの間から、思いもよらず千円札が見つかる、というようなことが珍しくないようであれば、すぐに財布の使い方を改善したほうがよいでしょう。
財布の中身を整えるメリット
どんなにお得なカード類が財布にたくさん入っていたとしても、使わなければお得を享受することはありません。ですから、使うべき時にきちんと使えるよう、整理しましょう。
今持っているクレジットカードは、全て必要でしょうか。気が付かないうちに年会費をだらだら払っているだけになっていないでしょうか。使わないクレジットカードの年会費はムダ使いです。よく使うクレジットカードを1~2枚程度に絞ると、ポイントも貯まりやすいですし、クレジットカードの支出もその1~2枚に集中するので、支出の管理がしやすくなります。
ポイントカードも同じように考えます。ポイントが1つだけついたカード。次にそのお店に行くのはいつでしょうか。あちこちの店でポイントカードを作るよりも、頻繁に行くお店のポイントカードに絞ったほうがポイントは貯まりやすく、お得を享受しやすいと思いませんか。
なかなか行かないお店の割引券も、要らないでしょう。恐らく次にそのお店に行ったときには、割引券があることを忘れていて使わないでしょうし、また割引券をもらって財布を膨らませてしまう可能性が高いからです。
このような「使わないカード類」が財布に眠っていないか、少なくとも3ヶ月に1回程度、チェックしましょう。その上でいつ使うかわからないものが増えていたら、処分してしまうのです。
財布をスッキリさせると、お金がいくら入っているのかが分かり、また金額が把握できる分、不要なことで減らしたくない気持ちが生じ、お金が残りやすくなるのです。
キャッシュレスが進む今、財布は小さくても大丈夫
財布の中に入れるものを少なくすること、また、今はスマートフォンのアプリでの決済も増えてきていることから、財布は小さいもので十分です。
整理整頓して小さくするという流れが自然ですが、「物が入らないように物理的に小さくする」という考え方もできます。あえて小さい財布を持ち、整理整頓せざるを得ない状況を作るのです。
どれを持ち歩こうかと財布の中身を絞り込んでいくうちに、自分の無駄遣いに気が付いて、お金の使い方を気にするようになることがあります。不要なものを貯め込んでいたことに気が付き、財布をきれいにする習慣ができるかもしれません。
小さい財布で「お金が貯まらない人」を卒業
財布を小さくすることで、お金に意識が向き、お金の出入りにも気が向くようになれば、お金を管理しようという意識も芽生えてきます。そうなれば、「お金が貯まらない人」から卒業する一歩を踏み出したことになります。
基本的に財布をきれいに使えれば、大きくても良いのですが、大きいと色々なものを入れたくなってしまいます。ですからお金を貯めたい人は、「財布を小さく」してみてはいかがでしょうか。