【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27,500.89 ▼632.42 ( 9/8 )
NASDAQ: 10,847.69 ▼465.45 ( 9/8 )
1.概況
米国市場は主力ハイテク株への売りが続き大幅続落となりました。208ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に630ドル安程度まで下落したあと午後には一旦300ドル安程度まで持ち直す場面もありましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると結局632ドル安の27,500ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も465ポイント安の10,847ポイントと4%を超える下落となりこちらも3日続落となりました。
2.経済指標等
7月の米消費者信用残高は123億ドル増の4兆1389億ドルに止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が4%以上下落したほか、エネルギーも3%を超える下げとなりました。また、金融とコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービス、生活必需品、素材も2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
主力ハイテク株への売りが続くなかS&P500株価指数に採用されなかったことで電気自動車のテスラ(TSLA)が急落し21%余り下げました。アップル(AAPL)も7%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も5%を上回る下落となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブック(FB)も4%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を超える下落となりました。
半導体株ではクアルコム(QCOM)とエヌビディア(NVDA)が5%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%安となりました。マイクロン・テクノロジー(MU)も3%余り下げています。さらに半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)やラムリサーチ(LRCX)、KLA(KLAC)が米政権が中国半導体受託生産最大手のSMICを事実上の禁輸リストに加えることを検討していると伝わったことで9%前後の下げとなっています。また、米連邦航空局が中型旅客機787に製造上の問題があるとして調査していると伝わったことでボーイング(BA)も6%近く下げ、ダウ平均構成銘柄でアップルに次ぐ下落率となっています。
一方でゼネラル・モーターズ(GM)が電気トラックのニコラ(NKLA)との業務提携を発表したことで8%近く上げました。ニコラは急伸し41%近く上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い0.68%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の23,000円を前に下げ渋るかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)