東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は欧州株高を受けて上昇しました。日経平均は98円高の23,188円で寄り付くと取引開始直後に140円高まで買われた後10時過ぎに39円高の23,129円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと前引け間際に141円高の23,230円まで上昇し121円高で前場を終えました。後場は上げ幅を縮め79円高の23,169円でスタートしましたが、徐々に持ち直すと14時10分過ぎから一段高となりました。大引け間際に187円高の23,277円まで上昇し本日の高値を付けた日経平均は結局184円高の23,274円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。また、東証1部の売買代金は2兆941億円と6日ぶりに2兆円を上回りました。
2.個別銘柄等
共立メンテナンス(9616)やエアトリ(6191)、オープンドア(3926)などが大きく上げました。国土交通相がGo Toトラベル事業の一環で開始時期が未定だった地域共通クーポンを10月1日から配布すると表明したことで買いが向かいました。共立メンテナンスが5.5%高、エアトリが5.4%高、オープンドアが9.4%高となっています。シャープ(6753)も一時3.4%高まで上昇する場面がありました。イオンを発生させる独自技術のプラズマクラスターが新型コロナウイルス抑制に効果があるとの実験結果を発表したことで注目を集めました。しかし、買いが続かず引けは2.0%安となっています。
アイロムグループ(2372)も4.7%高となりました。子会社が開発している新型コロナウイルスのワクチンの非臨床試験でワクチンをこれまでの試験より増やして動物に投与したところ血液中に免疫物質を多く確認できたと発表したことで買いを集めました。
また、マブチモーター(6592)も国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで5.4%高となっています。一方でソフトバンクグループ(9984)が米株式市場のデリバティブ取引で40億ドルの含み益があるとの報道を受けて一時4.4%安まで下落する場面がありました。下げ幅を縮め引けは0.6%安に止まっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は184円高となりました。米国市場がレーバーデーの祝日で休場となるなかで欧州の主要な株価指数が2%前後の大幅高となったことで買いが優勢となりました。
しかし、今晩の米国市場の動向を見極めたいとして欧州市場に比べると上げ幅は限定的となりました。その米国市場ではハイテク株への売りが止まるかが注目されますが、仮に売りが続いた場合は引き続き底堅さを維持できるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )