東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株安を受けて大幅下落となりました。日経平均は335円安の23,130円で寄り付くと取引開始直後に366円安の23,098円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると10時過ぎに207円安の23,257円まで持ち直し224円安で前場を終えました。後場は276円安でスタートすると13時10分過ぎに336円安まで下げ幅を広げました。その後やや戻した日経平均は結局260円安の23,205円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。また、東証1部の売買代金は1兆8713億円と本日も2兆円を下回りました。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場でグロース株が売られたことでバリュー株の一角に買いが向かいました。ホンダ(7267)が米ゼネラル・モーターズ(GM)と北米市場における戦略的な提携を発表したことで一時4%高近くまで上昇しました。引けは2.2%高で、トヨタ(7203)とスズキ(7269)も堅調でした。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて日本製鉄(5401)とJFEホールディングス(5411)、神戸製鋼所(5406)が高く、日本製鉄が4.8%高、JFEホールディングスが4.8%高、神戸製鋼所が5.5%高となっています。メガバンクもしっかりで三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)などが小幅に上げました。
一方でソフトバンクグループ(9984)が3.2%安となりました。昨日の米国市場でハイテク株が売られソフトバンクグループが保有するとみられる電気自動車のテスラ(TSLA)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)などが大きく下げたことが嫌気されました。さらに昨日の米国市場で主な半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)指数が6%近くも下げたことで半導体製造装置関連株が売られ、東京エレクトロン(8035)が2.7%安、SCREENホールディングス(7735)が3.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は昨日の米国市場でハイテク株に利益確定の売りが出てダウ平均が800ドルを超える下落となり、ナスダック総合株価指数が5%近い下げとなったことで260円安となりました。しかし、節目の23,000円を割ることもなく米国市場に比べると下げ幅も限定的でした。今晩の米国市場の動向が大きく下落した後ということもあって注目されますが、下げ止まらなかった場合でも引き続き23,000円近辺で底堅さを示せるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には8月の米雇用統計が発表される予定で、非農業部門雇用者数は135万程度の増加が、そして失業率は9.8%程度が見込まれています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)