東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇しました。日経平均は277円高の23,524円で寄り付くと取引開始直後に333円高の23,580円まで上昇した後10時20分前に178円高の23,426円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと313円高の23,561円で前場を終えました。237円高の23,484円と上げ幅を縮めてスタートした後場の日経平均は13時に305円高の23,552円まで戻しましたが、その後上げ幅を縮めると結局218円高の23,465円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落した一方で、日経ジャスダック平均は上昇となりました。また、本日も東証1部の売買代金は1兆9362億円に止まり2兆円に届きませんでした。
2.個別銘柄等
好調な既存店売上高を受けてファーストリテイリング(9983)や良品計画(7453)が買われました。ファーストリテイリングは国内ユニクロの8月の既存店売上高が前年同月比29.8%増と大きく伸びたことで3.6%高となり年初来高値を更新し日経平均を1銘柄で82円近く押し上げました。良品計画も直営店の8月の既存店売上高がキッチン用品や掃除用品、収納用品の販売が好調で前年同月比6.9%増となったことで4.9%高となっています。
また、任天堂(7974)が昨日に続いて年初来高値を更新しました。1.6%高の60,520円となり2008年7月以来の6万円台回復となっています。さらにスカパーJSATホールディングス(9412)が急伸し15.7%高となりました。昨日の取引終了後に発表した第1四半期の決算で営業利益が新型コロナウイルス感染拡大でイベントの延期や中止で有料放送の中継が減って番組調達費が抑えられたことや、衛星通信事業の収入が新たな衛星が稼働して増えたことなどから前年同期比で5割を超す大幅な増益となったことで買いを集めました。
一方でヘアカット専門店のキュービーネットホールディングス(6571)が8月の既存店売上高が前年同月比19.0%減となったことで4.1%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は218円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が450ドル以上上げたうえ、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を前日に続いて更新したことから大幅高となり、昨日に抜けなかった先月25日に付けた高値(23,296円)を本日はあっさりと上回りました。ただ、上げ幅を縮めたことで節目の23,500円を引けで上回ることができませんでした。明日は米雇用統計の発表を控えて様子見となりやすいといえますが、そうしたなかで23,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、本日は日本時間の23時に8月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)